【本屋は生きている】東京・機械書房 今はなき先輩の本屋から受け継いだバトン。末永く伝えていく言葉がある
岸波さんが選ぶ、ぜひ機会を作って読みたくなる3冊
●『さあ、本屋をはじめよう 町の書店の新しい可能性』和氣正幸(Pヴァイン) 18人の独立書店の店主の文章が載っており、僕も寄稿している。この本を読んで本屋をはじめる人がいつか出てきたりするんだろうか。少なくとも本屋をやるのは面白そうだなあと思う人が増えそうな元気の出る本。 ●『泣いたって変わることは何もないだろうけれど』パク・ジュン、趙倫子(クオン) 短い詩も時折挟まれるけれど、全体的には散文詩集といっていいだろう。「朝ごはん」という詩に顕著なように、食事ひとつとっても愛する者の存在が詩人の中につねにある。食べ物は自分の口に入るだけではないのだ。 (文・写真:朴順梨) ●『踊る幽霊』オルタナ旧市街(柏書房) 文学フリマや書店で人気を得たリトルプレスの書き手の商業デビュー作のエッセイ集。東京を中心に様々な街が舞台になっている。会社員として働きながら文章を書いて生活したい人にぜひ読んでほしい。傑作と思う。
朝日新聞社(好書好日)