幸福の神様「ビリケンさん」が万博パビリオンに降臨 ミャクミャクと共闘、活性化に一役
一方、12年、大阪・新世界で初代通天閣そばの遊園地にビリケン像が初めて置かれた。この像は田村駒と関係ない。その後、像は行方不明に。79年、文化人の呼びかけで、2代目通天閣に2代目ビリケン像がつくられた。
モデルは田村駒が49年につくり、今も大阪本社内に置くビリケン像。制作のさい、無償で通天閣側に貸し出した。通天閣の像は2012年、3代目に変わっている。
田村駒と通天閣側でライセンス供与などの話はなく、大阪を盛り上げる同志として協力を続けているという。1990年代後半、NHK連続テレビ小説「ふたりっ子」や映画「ビリケン」などの影響で新世界が注目されるようになったのを機に、田村駒と通天閣側で事務局をつくり土産物品を中心に管理している。
一方、田村駒は、さまざまな企業相手ではライセンス事業を強化しており、菓子、ビール、衣料など多様な商品でビリケンさんが使われている。「今はどんなビジネスもストーリーが必要。ビリケンさんを語れるのは財産だ」と堀さんは語る。
また田村駒は創業130周年の今年3月、10年前の東京本社に続き、大阪本社前にブロンズのビリケン像を設置した。「万博が終わってもビリケンさんを推し、大阪を盛り上げたい」と堀さん。幸福の神様の雄飛は続きそうだ。(山口暢彦)