幸福の神様「ビリケンさん」が万博パビリオンに降臨 ミャクミャクと共闘、活性化に一役
来年4月13日からの2025年大阪・関西万博の盛り上げに、ナニワのシンボル「ビリケンさん」が〝活躍〟することが分かった。会場でパビリオンに登場したり、アーティストがオリジナルのビリケン像を披露したりと形はさまざま。協力するのは、「通天閣」(大阪市浪速区)に先んじてビリケンさんを明治時代に米国から〝輸入〟し、日本での商標権を持つ繊維商社「田村駒」(中央区)だ。 【表でみる】幸福の神様「ビリケンさん」の歴史 「ユーモラスな風貌なので神社仏閣はふさわしくない。身近な神様として、商店街などにいるのが一番似合う」。こう語る田村駒の堀清人社長は「大阪の活性化のため万博を後押しし、その万博をビリケンさんで後押しする」と力を込める。公式キャラクター「ミャクミャク」の存在感にも引けをとらない、心強い〝助っ人〟の登場だ。 たとえば大阪外食産業協会のパビリオンには、ビリケンさん使用のライセンス契約を田村駒と結んだ外食企業が出る方向。ビリケンさんをデザインした看板の掲示や着ぐるみの登場が想定される。 詳しい中身はこれからだが、大阪府市が出す大阪ヘルスケアパビリオンでも、持続可能な繊維・ファッション産業を考えるプロジェクトにビリケンさんが〝協力〟する。 このほか会場では来年7月、パラアーティスト、MUSASHIさんが個展でオリジナルのビリケン像を出展。田村駒は開幕後の4月、22年から大阪市で行ってきた展示会「ビリケンクリエイターズオーサカ」の活動を説明する。 この展示会はプロ・アマ問わず思い思いのビリケン像を絵画、アニメなどの平面作品にするもので、来年3月、5回目を行う。通常100人のアーティストが参加するが、5回目は130人以上になるという。 ビリケンさんは1908年、米国の女性芸術家が夢で見た神様をモデルに創作。名前は09年に就任したウィリアム・タフト大統領の愛称「ビリー」に由来するともされる。 米国の会社が幸福のマスコットとしてビリケン像をつくり世界で流行。つり上がった目に尖った頭、両足を突き出して座るスタイルは当時からだ。今や、海外の大半で忘れられたが、米国ではセントルイス大のマスコットとなっている。 田村駒によると、日本には09年に渡ってきた。創業者の初代田村駒治郎さんが11年に商標登録。織物の商品キャラクターなどとして使うようになった。