被爆者ら、高校生前に体験語る 「世界平和貢献考えて」 現地教諭が要望し実現・オスロ
【オスロ時事】ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の被爆者らは11日(日本時間同日夜)、ノルウェーの首都オスロのキューベン高校を訪れ、現地の高校生を前に体験を語った。 発案した同校の新谷智子教諭(51)は「生徒たちには、世界平和にどのように貢献できるかを考えてほしい」と話している。 訪問したのは、事務局次長の浜住治郎さん(78)と、いずれも代表理事の横山照子さん(83)、中村国利さん(80)。近現代史や社会学、「政治と人権」を学ぶ生徒約200人を前に被爆した状況などを証言し、生徒からの質問も受けた。 長崎で被爆した横山さんは、写真を手に、幼い頃から入退院を繰り返し、学校にもほとんど通えず44歳で亡くなった妹のことを語り「原爆の被害は人間の一生を駄目にするということを知ってほしい」と訴えた。さらに「平和な世の中でしか、自分の歩む道を自分で決めることはできない。高校生の皆さんには、平和について考えてほしい」と呼び掛けると、生徒からは拍手と歓声が上がった。