推定年間被害額は2兆円…マンガ・アニメ海賊版、文化庁がAIで対策
文化庁は人工知能(AI)技術を活用し、マンガやアニメの海賊版サイト対策システムを構築する。海賊版の検知から削除申請までを自動化することを目指す。現在は人がタイトルを検索してサイトを見て確かめる人海戦術で対応している。推定年間被害額は2兆円と対策が追いついていなかった。 2024年度補正予算に新規事業として3億円を計上した。海賊版はサイトだけでなく、コンテンツ単位での検出を目指す。画像やテキストをAIに学習させる。海賊版は多言語で提供されており、テキストは自動翻訳を利用して検知範囲を広げる。まずは海賊版の自動検知と権利者への通知を実証する。 削除申請などの権利行使も自動化したい構え。権利処理を明確化するための調査研究を進める。24年度の事業目標は海賊版検知実施件数で500件。海賊版サイトへのアクセス数や被害額を抑え、日本のコンテンツの正規流通を促す。 ゲームの実況配信のようにコンテンツの利用形態は多様になっている。単純な検出技術では権利者に許諾された活用例も検出されてしまう。一方で明らかな海賊版サイトも対応が追いついていない。権利者と運用性を検証しながら進めていく。