伝統の食文化「ざざ虫漁」は想像以上の重労働 冷たい川で見つけた、香ばしくておいしい「まごたろう」って?
伊那市創造館は8日、天竜川の冬の風物詩、ざざ虫漁の見学会を開いた。市内から8人が参加し、天竜川漁協(伊那市)組合員で、漁歴50年の農業中村昭彦さん(80)=同市中央=らから解説を受け、天竜川の冷たい水に入ってざざ虫を探した。 【苦手な人注意】ヘビトンボの幼虫「まごたろう」
伊那谷の伝統的な食文化を多くの人に知ってもらう目的で開き、昨年に引き続き2回目。ざざ虫はトビケラやヘビトンボなどの幼虫の総称で、農閑期の収入源として上伊那で漁が盛んだったという話や漁に使う道具の紹介に、参加者は熱心に耳を傾けた。
漁の実演後、中村さんは長さ5センチほどのヘビトンボの幼虫を参加者に見せ、「(伊那周辺では)『まごたろう』とも呼ばれる。香ばしくて一番おいしいよ」と話した。この日多く採れたトビケラは1センチほどだったため、参加者はその大きさに驚いていた。
5年前に伊那市に移住してきた福祉施設職員山中但春(ただはる)さん(51)=西箕輪=は「想像以上の重労働で驚いた。伝統的な文化として残したいと感じた」と話した。