きょうは「素数」ですか、あなたの部屋番号は…? じつは、ありふれた数にも「素数」がめちゃめちゃ隠れていた
祝日と「素数の日」に法則はあるか?
365日のうち,素数の日は58日である。うるう年では,2月29日(229)が素数なので,59日となる。およそ6日に1日が素数の日である。 2024年の祝日をまとめた次の表を見てみよう。 元日 101…………………………………素数成人の日 108(第2月曜)…………………合成数建国記念の日 211…………………………………素数天皇誕生日 223…………………………………素数春分の日 320(年による)…………………合成数昭和の日 429…………………………………合成数憲法記念日 503…………………………………素数みどりの日 504…………………………………合成数こどもの日 505…………………………………合成数海の日 715(第3月曜) ………………合成数山の日 811 ………………………………素数敬老の日 916(第3月曜)…………………合成数秋分の日 922(年による) ………………合成数スポーツの日 1014(第2月曜)………………合成数文化の日 1103………………………………素数勤労感謝の日 1123………………………………素数 面白いことに,建国記念の日(211)と天皇誕生日(223)はともに素数であり,連続する素数である。全体では7個が素数で,9個が合成数であり,かなり高確率で祝日は素数の日である。 ただし,年によって日が変わる祝日も多くあるので,素数の日のほうが多い年もあるかもしれない。
年と年度をまたぐ日の「意外な真実」
素数の日が連続することはあるだろうか? 2を除く偶数は合成数なので,月をまたぐ部分しかありえない。大晦日(1231)と元日(101)はともに素数で,連続する素数の日である。 また,3月31日(331)と4月1日(401)もともに素数で,連続する素数の日である。 このように素数の日が連続するのはこの2組だけである。年と年度をまたぐ両日だけが素数続きとは美しい。 *数学センスを磨くポイント* ある数が素数であるかどうかの判定は, 特に数が大きくなるほど容易ではないが, 日常に見られる数が素数かどうかを確かめてみると, 面白い現象に気づくことがある。 合成数であれば, 素因数分解してみると何かが見えてくるかもしれない。数の「おおもと」である素数を意識することーーこれが「数のセンス」を磨く重要な一歩となる。 今回は、素数を題材にして「数のセンス」を磨いてみたが、続いては「数を図形でとらえるセンス」を磨くポイントについて解説してみたい。まずは、中学校3年生で学習する「三平方の定理」を取り上げてみよう。 中学数学で磨く数学センス 数と図形に強くなる新しい勉強法 中学3年間で学ぶ重要ポイントを抽出し、教科書では習わない視点でとらえなおす「新しい時代の新しい勉強法」──。「数を図形でとらえ」「図形を数でとらえる」=「数学する力」が誰でも身につく!〈理系に強い子ども〉に育てたい親世代へのヒントも満載!
花木 良(岐阜大学教育学部准教授)