大谷翔平、ジャッジも使用「あの黒いバット」の正体は? 日本の担当者に聞いた、愛される特徴&大谷効果「日本で使用する選手が倍増しました」
大谷バットの特徴を考察
ただ、日本支社ではなく、あくまで日本での代理店なので、大谷が今この瞬間どのようなモデルを使用しているか、リアルな情報は入ってこない。そこで毎日、メジャーリーグ中継やSNSなどを頻繁に視聴、閲覧し、大谷が使うバット先端に刻印されている長さと重量に目を凝らす。 「昨年は30号から40号の間は、0.5インチ短い34インチ(約86.4センチ)のものを使用していました。まさにファンの方たちと同じようにインスタを見たりして参考にしています」 ドジャースの一員となった今年は、シーズン前から「34・31.5」の刻印が見て取れたという。昨年終盤と同じ34インチで、31.5オンス(約893グラム)に軽量化した“新相棒”を携え、新天地へと乗り込んだ。 「あくまで憶測ですが、右肘を手術した影響もあって、短く、軽くしているところはあるかもしれません。今は軽いバットが主流になっていて、それで160キロを打ち返さないといけない訳ですから、素材を硬くしていったというところはあるでしょうね」
芯を外した時のしびれは大きい
木材の強度は比重にほぼ比例する。160キロに対応しようと軽量化すればするほど、アオダモのように弾力性に富んだバットでは、スピードボールに“当たり負け”してしまう。さらに、日本産のアオダモ材は減少の一途をたどり、いつまで良質なバットが供給されるか分からない。そこで、しなりよりも硬さで打球を飛ばすチャンドラー社のバットが日米で注目され始めた。 「シンプルに当たった時の“弾き感”が高いんでしょうね。スローの写真などで見るバットの“しなり”は少ないと思います。ただ、硬くて折れにくい反面、木製バットで野球をやった方なら分かると思いますが、芯を外した時のしびれは大きいんじゃないでしょうか」
学生のため、安価で提供したいが…
チャンドラーバットは、プロだけでなく、全日本野球協会(BFJ)の許可も取れ、アマチュア選手も「BFJ」マークが入っていれば使用できるようになった。ただ、円安の影響もあり、国内で購入するとなると、素材にもよるが、1本3万5000円から、高いものは5万円を優に超える。学生がなかなか手を出せる代物ではない。 「本来は小売りで広く展開していって、そういう計画も立てて、ネットショップでもある程度形を作って作業をしていたのですが、原材料の高騰で、原価が20~30%アップしている状態でして……。広く販売するという計画が進まない感じです。僕も大学の時、木製バットを1打席で2回折って寂しい思いをしたので、大学生に3万5000円のバットを届けるのはどうかと感じつつ、何とか相場を整えたいと思ってやっています」
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