大谷翔平、ジャッジも使用「あの黒いバット」の正体は? 日本の担当者に聞いた、愛される特徴&大谷効果「日本で使用する選手が倍増しました」
すべてのはじまりはマーティンだった
高校時代に桐蔭学園(神奈川)で同期の関川浩一さん(元阪神など)らとプレーしてきた宇野さん。獨協大では3年時に副将、4年時に主将を務め、社会人野球のリクルートなどを経て、2015年に個人事業主として独立した。その後、レオネス・マーティン(元ロッテ)の共通の知人から「チャンドラーのバットを使いたいけれど、日本では認可されていない」との話を聞き、2021年に株式会社エスアールエスを設立。チャンドラー社の日本代理店となり、同年にNPBでの使用認可を取得した。 「実際に日本人選手に渡して打った感想を聞いてみると“相当硬いですね”と述べられる方が多いです。NPBで使用している選手は、2022年は十数人だったのですが、昨年は40人ぐらいにまで増えました。間違いなく大谷さんの効果ですね」
大谷モデルをそのまま使いたいという要望が多いが…
日本ではグレゴリー・ポランコ(ロッテ)やタイラー・オースティン(DeNA)ら外国人選手の他に、昨季は万波中正(日本ハム)も使用するなど、日本人選手にも浸透してきた。 「昨年は大谷選手のモデルをそのまま使いたいという要望が多かったですね。それで買って頂いて、その後はメーカーとの契約などもあるので、試合で使っている選手はあまりいなかったです。大谷さんが使うバットがどういうものなのか、興味で一度手にしたいということもあったのかなと思います」
大谷バットの長さはノックバット並み
大谷はそれまでアシックス社の33.5インチ(約85.1センチ)、32オンス(約907グラム)のバットを使用していた。2021年シーズンには、素材をしなりのあるアオダモから、硬い打感が特徴のバーチに変更。そして昨季、チャンドラー社へのメーカー変更を機にメープルに変え、重さはそのままに、34.5インチ(約87.6センチ)の長尺バットを使い始めた。さすがにその長さのまま使用する日本人選手は皆無で、ほとんどが短いモデルに変更するという。 「87.6センチというと、私たち指導者が使う89センチのノックバットとほぼ変わりません。その長さで、体に近い球をさばけるのかというと、シンプルに大谷さんのようなフィジカルがないと無理なんだと思います」
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