【「できたて」戦争のコンビニ業界】あらゆる進化は飲食店の“ライバル”にも
単身者も増え、中食も増え、居酒屋じゃなくてコンビニでホットスナックを買って、家で飲もうといった動きも出てきている。その辺りについては「その需要を取るために、酒とセットで割引ということは実施しています」 同社はから揚げや焼き鳥といった展開を進めているが、結局のところすべてのベンチマークはファミチキになるという。「ホットスナック・惣菜に関しては、ファミチキの230円より高いか安いかで商品を見極められています。もし高いのであれば、その付加価値にいくら払ってもらえるかを探るしかありません。ファミチキは発売して約18年が経過しておりますが、発売以降味などを変えておりません。どの商品でも飽きない味、食べたくなる味を追求して、リピート率を上げていきます」
日本のコンビニ「できたて」は世界的にも発達
筆者は香港にも生活拠点を構え、カナダに住んだこともあるが、ともに弁当はなく、サンドイッチやおにぎりといった軽食がある程度だ。先日、韓国に取材に行ったが、日本のような充実した弁当や焼成パン系の商品ラインアップはない。 日本のコンビニのできたて商品の発達は、世界で特異であるし、誇るべきものと感じる。家の近くのコンビニで食事やおやつ、晩酌のお供を得ることができる。同時に日用品を買えることを考えると、飲食店や専門店ではなく、コンビニを選ぶこともありそうだ。 飲食店の経営が厳しい環境である中、コンビニのできたて商品は〝ライバル〟と言える存在になっているかもしれない。
武田信晃