【「できたて」戦争のコンビニ業界】あらゆる進化は飲食店の“ライバル”にも
ドーナツの購入層は若者が中心だ。「夕方に売れます。普段は揚げ物を買わない客が購入するようになり、新しい客も来るようなりました」と相乗効果があった。 では、パンの客層は?「40代から下です。エリアにもよりますが6:4で女性客です。セブンカフェのコーヒーなどと一緒に買う客が多いのも特徴です」 これらの源流は、セブンカフェが寄与しているという。「カウンターでコーヒーを買えるのは大きかったです。イートインもでき、コンビニのスタイルは変化しました。セブンカフェを始めた時、マクドナルドにもスターバックスにもコーヒーはありましたが、マクドナルドは食が基本で、スタバはコーヒーです。2つとも持っていたのがセブン-イレブンでした。そこから、コーヒーと親和性が強い商品に広がりました」
食卓のおかず、酒のつまみになるファミマのホットスナック
全国に約1万6300店舗あるファミリーマートで売られている商品の代名詞がファミチキだ。06年の発売以来、24年6月末の時点で累計22億食を販売。店舗に平均3000アイテムがある中、ここ数年は売上トップを誇る。 今年の売上について商品本部FF・スイーツ部ファストフーズグループの和田健太郎氏は「24年3~9月のホットスナック類の売上は前年同期比で約6%伸長しています。物価高の中でホットスナックはお買い求めやすいこともあり、その追い風を受けました」と語る。 客層は「フライヤー商品の全体とファミリーマートの客層とほぼ同じで、30~40代がメインで、この世代だけで約3割を占めます。男性が女性より多めで、時間帯としては昼と仕事帰りが中心です」。逆に女性客を開拓できる余地があると考えているのか?「男性客も大切にしつつ、ターゲットとして女性は狙っています」 ファミチキなどの揚げ物を避ける女性はいると思うが、その中での商品開発とは?「最近、リニューアルしたクリスピーチキンは女性に人気です。胸肉を使用しあっさり味に仕上がっているのと、サイズ感で支持をもらっています」 好調な売上を得る中でも、消費者の楽しみ方も変わってきている。「ファミチキなどのホットスナックは、おやつ感覚で食べる発想から生まれた商品です。その後、おかず需要を取りたいということで、から揚げ(ファミから)、焼きとりに広げました。専門店に負けない品質で、より安くがコンセプトです。狙い通り売上も伸びています」。実際に17時以降という時間帯の動きが良いという。