「彼は100%ではなかった」パリ五輪で苦戦したマレーをナゲッツ首脳陣がフォロー「この経験をモチベーションにしてくれると確信している」<DUNKSHOOT>
今夏に行なわれたパリ五輪でカナダ代表は、銅メダルを手にした昨年のFIBAワールドカップに続いて表彰台を狙っていた。10人の現役NBA選手を擁したチームは、予選ラウンドこそ3戦無敗で突破したものの、準々決勝で開催国フランスに敗れてベスト8で終幕。 【動画】ヨキッチと並ぶナゲッツの顔マレーの2023-24シーズン好プレー集! カナダはSGAことシェイ・ギルジャス・アレキサンダー(オクラホマシティ・サンダー)が平均21.0点、4.3リバウンド、4.0アシスト、フィールドゴール(FG)成功率54.0%をマークしたが、ジャマール・マレー(デンバー・ナゲッツ)は平均6.0点、3.0リバウンド、3.8アシスト、FG成功率29.0%、3ポイント成功率14.3%と期待を大きく裏切る結果に。 ジョルディ・フェルナンデスHC(ヘッドコーチ/ブルックリン・ネッツHC)の下、チームにはSGA、ディロン・ブルックス(ヒューストン・ロケッツ)やRJ・バレット(トロント・ラプターズ)、ルージェンツ・ドート(サンダー)、ドワイト・パウエル(ダラス・マーベリックス)など昨年のW杯メンバーの多くが名を連ね、パリ五輪から合流したマレーはアジャストに苦しんだ。 だがナゲッツのフロントの印象は違ったようだ。8月21日(日本時間22日)に地元メディア『The Denver Post』へ公開された記事の中で、ナゲッツのバイス・チェアマンを務めるジョシュ・クロンキは次のように語っていた。 「世界でベストな相手たちと戦うなら、それはNBAプレーオフ、オリンピックであれ、相手のベストを引き出したいものだ。もし100%の状態でなくても、コートに立ちたいものだし、戦い抜こうとするものだ。ジャマールのようにね。だが彼が100%ではなかったのは知っている。NBAファイナルでトリプルダブルを残すようなジャマールが、復活に向けて踏み出す大きな一歩を見られると思っていたんだがね」 昨季のマレーはハムストリングや足首のケガで23試合を欠場。シーズン終盤にはヒザを痛め、プレーオフに入ってからもふくらはぎを負傷しながら何とかプレーを続けてきた。 1回戦ではロサンゼルス・レイカーズ相手に2度の決勝弾を沈めてヒーローとなり、12試合で平均20.6点、4.3リバウンド、5.6アシストこそ残したとはいえ、フィールドゴール成功率40.2%、3ポイント成功率31.5%(平均1.9本成功)と波が激しかった。 ただ、このタフな経験がマレーの今季の原動力になるとクロンキは言う。 「ジャマールは素晴らしい選手で、NBAでもベストな1人。彼の言葉からも、オリンピックで少しフラストレーションを抱えていたことがわかる。だから、この夏に味わった経験を次のシーズンに向けたモチベーションにし、正しい方法で使ってくれると確信している」 今夏にナゲッツはケンテイビアス・コールドウェル・ポープがオーランド・マジック、レジー・ジャクソンがフィラデルフィア・セブンティシクサーズに移籍。新たにガードのラッセル・ウエストブルック、ビッグマンのダリオ・シャリッチを迎えたが、バックコートの選手層が薄くなったこともあり、マレーにかかる期待は大きい。 ニコラ・ヨキッチ、アーロン・ゴードン、マイケル・ポーターJr.を操りつつ、相手に大ダメージを与えるショットを決めるマレーが完全復活することができれば、ナゲッツが覇権争いへ参戦することは十分可能だろう。 文●秋山裕之(フリーライター)
【関連記事】
- 「僕たちにはチャンスがいくつもあった」連覇の夢散ったナゲッツのマレーが心境を吐露「狩りをする側に戻るんだ」<DUNKSHOOT>
- ウエストブルックがトレードを経てナゲッツ移籍へ!大黒柱ヨキッチが望んだ末の“トリプルダブルデュオ”誕生か<DUNKSHOOT>
- 「これまでに成し遂げてきたことが大事」リラードが75周年記念チーム選出を回想「だからこそ、非常に大きな意味がある」<DUNKSHOOT>
- 「コーチになりたいわけじゃなかった」名手ナッシュに現場復帰の意志なし?ネッツHC時代の苦悩を告白<DUNKSHOOT>
- 「ヤニスはイーストで4番目の選手」ガーネットが怪物アデトクンボに低評価を下す<DUNKSHOOT>