乳首を《ピンク色》にして客と浮気...《堅気》の夫と《アウトロー》な妻、相容れない二人の結婚生活に待ち受けていた結末とは?
1960年代ストリップの世界で頂点に君臨した女性がいた。やさしさと厳しさを兼ねそろえ、どこか不幸さを感じさせながらも昭和の男社会を狂気的に魅了した伝説のストリッパー、“一条さゆり”。しかし栄華を極めたあと、生活保護を受けるに至る。川口生まれの平凡な少女が送った波乱万丈な人生。その背後にはどんな時代の流れがあったのか。 【漫画】床上手な江戸・吉原の遊女たち…精力増強のために食べていた「意外なモノ」 「一条さゆり」という昭和が生んだ伝説の踊り子の生き様を記録した『踊る菩薩』(小倉孝保著)から、彼女の生涯と昭和の日本社会の“変化”を紐解いていく。 『踊る菩薩』連載第96回 『《ヤクザ》との関わりも噂され、襲名料は”1,000万円”!?...《一条さゆり》の名についた価値と初代の「変わらない想い」』より続く
店に入り浸る暴力団員
居酒屋「大ちゃん」の開店資金を出した夫の松本は当初、勤め人時代の仲間を誘って店に通い、一条もそれを歓迎していた。 しかし、夫が顔を出すのを、彼女がうっとうしく思いはじめるのに時間はかからなかった。夫は早めに店を閉め、家に戻ってきてほしいと言う。彼女は朝方まで店を開き、飲みすぎたときなどは家に帰らない。見かねた夫は店を閉めて、家庭に収まるよう言った。客と一緒に酒を飲むのが好きな一条は、主婦に戻るつもりはなくなっている。 店では暴力団員とのいさかいもあった。開店してすぐ、みかじめ料を強要されている。一条は当時のやりとりを、こう語った。 「ショバ代を断ったら、チンピラが他のお客さんと喧嘩する。お客さんを包丁持って追いかける。結局、月々10万円、払わなあかんようになったんです」 倹約家の夫は、チンピラへの毎月10万円もの出費に我慢がならなかった。「釜ケ崎で店を開いたためだ」と愚痴を言うようになる。 店の暇な時間、奥の部屋をヤクザに使わせた。ヤクザはそこで競艇のノミ行為をやっていた。一条は場所代として1日1万円をもらった。それを知った警察から警告され、松本が「部屋は貸せない」と組員に通告し、もめ事になったこともある。民生委員を務める彼としては、ノミ行為を許すことは絶対にできない。
【関連記事】
- 【つづきを読む】「夫の自死を知ったのは数か月後」...《平凡》に憧れたストリッパーが《平凡な生活》を手にして起きた《悲劇》の結末
- 【前回の記事を読む】《ヤクザ》との関わりも噂され、襲名料は“1,000万円”!?...《一条さゆり》の名についた価値と初代の「変わらない想い」
- 【人気の記事を読む】「アソコを見せて何が悪い」公然わいせつで逮捕された「伝説の踊り子」がした衝撃の「言い訳」とは
- ガソリン缶を抱えて「殺したろか」…従業員として真面目に働きだした元・伝説のストリッパーの壮絶な「痴話喧嘩」と衝撃の「結末」
- 「顔が倍以上に腫れて、まるでドッチボールの玉みたい」...《2代目・一条さゆり》が大やけどをした初代をみて思わず「涙を流した」ワケ