100m9秒97の日本記録更新サニブラウンは東京五輪でメダルを獲得できるのか?
200mはダイヤモンドリーグ第4戦ローマ大会(6月6日)で、日本人の母親を持つ21歳のマイケル・ノーマン(米国)とライルズが激闘を繰り広げて、ノーマンが今季世界最高の19秒70、ライルズが同2位の19秒72。今季世界リスト3位は全米学生選手権で200mも制したオドゥドゥルで19秒76となる。なお、サニブラウンは全米学生選手権の100mと200mで22歳のC・ガレスピー(米国)にも先着されている。 現在の世界ランキング・トップ3の“ライン”は100mが9秒86で200mが19秒76。対してサニブラウンのタイムは100mが9秒97で200mが20秒08だ。世界トップと比較すると、現地点では“小さくない差”をつけられている。 日本メディアはあおり過ぎる傾向があるので、まずはこの現実を受け止めることが必要だ。ただし、サニブラウンのポテンシャルを考えると、東京五輪で「メダル」の可能性は十分にある。具体的にいうと、筆者は100mでファイナル進出(8位以内)、200mでメダル(3位以内)、4×100mリレーで金メダル(優勝)を狙えるのではと感じている。 今回の全米学生選手権も、サニブラウンは決して「100%」の力を出し切ったわけではない。100mは60mくらいまではスムーズだったものの、終盤はストライド(歩幅)が間延びしたという。「そこをしっかりまとめていけば、もうちょっといいタイムが出たのかなと思います」と本人は反省点を口にしている。 マイク・ホロウェイコーチも「今日の走りは平凡でした」と話す。 その一方で、ホロウェイコーチは、「昨年は少し怠け者だったけど、もっと努力するようになり、技術を理解するようになった。彼は100mと200mの両方で戦える選手。世界最高のスプリンターを目指していける」とサニブラウンを高く評価している。 全米学生選手権は約1時間半の間に4×100mリレー、100m、200mの決勝3レースをこなす過密なスケジュールだったが、日本選手権や世界大会では1日1~2本のレースが基本。本人も最初に行われた4×100mリレーが「一番良かった」と話しており、今の状態でもタイム短縮は十分可能だ。