本物感と「マウント」感を求め、地方へ向かう韓国人旅行者たち
「マウント欲求」を満たすコンテンツの有無が決め手に
──背景には、どういった韓国人観光客の心理的ニーズがあるのでしょうか? まず、韓国の地方都市は日本ほど多様性がなく、ソウルにいればすべての韓国国内のあらゆる文化的コンテンツが手に入る状態になっています。ですから、日本のそれぞれの地方が持つ独特の地域性や特徴が興味深く映るのだと思います。 また、韓国社会は、自分が「どう評価されているか」を非常に気にします。そして、他者と干渉しあうことに日本ほど抵抗を感じません。そうした特徴は「みんなに自慢したい」「他の人が知らない知識で、コミュニティ内の注目を集めたい」といったニーズを生みます。 ありきたりな日本旅行では体験できないようなことや、発祥地の本場を知っていることをSNSや土産話で周囲にアピールしたいと願う欲求が、地域性や本場感を求めるニーズが高まった背景にあるように思います。 これらのニーズにヒットするコンテンツがあるかどうかが、韓国インバウンドを呼び込めるかどうかの決め手になっています。(続く)