覚えておきたい! プロが教える、おいしいガレット・デ・ロワの見分け方
・カットした後も型崩れしない
ガレットは、切り分けた後もしっかり形を留めているのが在るべき姿だ。「端が垂れ下がっている場合は、よくない兆候です。パイ生地の底が十分に焼けていないと、必然的に柔らかくなり、消化しにくくなります」と、ルーセル氏は警告する。それから当然ながら、調理方法も非常に重要だ。「オーブン中に、パイ生地と中の詰め物は同時に膨らみます。従って、全体が完全に均質でなければなりません」と、ルセック氏は付け加える。詰め物が多過ぎると、下層のパイ生地は膨らむことができず、詰め物とパイ生地の上部の間に大きな隙間ができてしまい、結果的に型崩れを起こすことになる。
・バランスの取れたフィリング
伝統的なガレットには、アーモンドクリームとフランジパンの2種類のフィリングが入っている。「フランジパンは、ペストリークリームが3分の1、アーモンドクリームが3分の2で構成されています」とルセック氏。一方で、アーモンドクリームは、バターとアーモンドパウダーの混合物から作られる。それから、他にもリンゴ入りやチョコレート入りなどのバリエーションもある。ガレットを買う前に、中身がどんなものか見ることはできないものの、「自分の作ったガレットに誇りを持つ真面目な職人なら、納得してもらうために試食させてくれるだろう」と、ルーセル氏。
・バターの香りがしっかりすること
香りについては、フレッシュなバターの香りがしないもの(多くの場合は植物性の油が使用される)や、アーモンドパウダーの質の悪さをラム酒の強い香りで覆い隠すようなケーキは除外しよう。鉄の味が後からするのは、必ずしも職人の腕が悪いからでなく、ベーキングシートがきちんと洗われていない証拠だろう。
・ラベルを注意深くチェック
スーパーで買わざるを得ない場合は、原材料リストを注意深くチェックする必要があるだろう。「クラシックなフランジパンのガレットには、天然の原料しか使いません」とルーセル氏は力説する。「バター、水、塩、小麦粉、卵、アーモンドパウダー、クリーム、バニラビーンズ、砂糖、そしてラム酒。これ以外のものが含まれる場合は、救いようがありません」
・おいしく食べる、さらなるヒント
ちなみにガレットは温かい状態で食べるのがいちばんだ。専門家はこの点について妥協を許さない。「温かい状態で食べると、バター、アーモンド、ラム酒、バニラといったガレットを構成するすべての風味が一層引き立ってきます」。また温める際に、電子レンジは避けるが無難だ。なぜなら電子レンジはガレットを加熱し過ぎるあまり、柔らかくしてしまう恐れがあるからだ。理想的なのは、オーブンで10~15分間、低温 (160度)で温め直すこと。 From madameFIGARO.fr text: La rédaction (madame.lefigaro.fr) translation: Eri Arimoto