研究所に搬入された福島第一原発のデブリ0・7g、1年かけ硬さや成分を分析…本格取り出しの検討材料に
東京電力は12日、福島第一原子力発電所2号機から取り出した溶融燃料(デブリ)を、日本原子力研究開発機構の大洗原子力工学研究所(茨城県)に搬入した。2011年の原発事故後、デブリを原発敷地外に出したのは初となる。14日から約1年かけて、デブリの硬さや成分などを分析し、今後の本格的な取り出しに生かす方針だ。 【動画】原発でデブリをつかんだ瞬間
東電は12日午後、放射線を遮断する鉛製の容器に収めたデブリをトラックで同研究所に搬入した。7日に採取した小石状のデブリは、大きさ約5ミリ、重さ約0・7グラムで、原子炉建屋内に保管していた。運搬に先立ち、鉛製容器の外側の放射線量を測定し、数値が法令基準以下であることを確認した。
同研究所などによる分析結果は、本格的な取り出し作業での工法や工具、デブリの保管方法などの検討材料になる。事故直後の原子炉内の状況を推定することもできるため、デブリが発生するメカニズムの解明につながるという。
今回のデブリは分析後、福島第一原発内で再び保管する。ただ、今後取り出す予定のデブリを含め、1~3号機で推計880トンになるデブリの最終的な処分先は決まっていない。