サバンナ・八木真澄「芸人の僕がFPの資格を取った理由。心が満たされていれば大富豪。相方の年収が6倍になったとき、羨ましさを感じなくなった」
◆【4】費用対効果は《自分値段》で決める お金は、必要としている何かと交換してこそ、初めて価値が生まれます。ただ、商品についている値段が、自分にとっての価値とイコールとは限りません。 僕はものを買う時、「それが手に入らなくなった時に、いくらまで払えるか」ということを一つの判断基準にしています。 たとえば僕の場合、卵は1個100円、カレーのルーは1箱800円までなら払ってでもほしい。でも実際は、卵もカレーのルーも300円前後で購入できる。費用対効果の高い、お得な買いものだと言えるわけです。 逆に、こだわりのないものや、どれを選んでも効果や結果にさほど差がないと感じるものは、安ければ安いほうがいい。僕は、バッグにはものが入ればいいと思っているので、ブランドものは必要ありません。プールは泳げればいいので市民プールで十分。新幹線は自由席もグリーン車も、到着時間は一緒です。 僕が好きでよく行くカレー店は、ポークカレーが591円、ビーフカレーは718円です。でも、ご飯と福神漬けが一番好きな僕にとってルーはどちらでもいいので、当然いつも値段の安いポークカレーを頼みます。 値段が高いから価値があるというのは思い込み。自分が本当に必要としているものがわかっていれば、おのずと費用対効果の高いものを選ぶことに繋がるのではないでしょうか。 ◆【5】視点を変える。工夫を楽しむ 実は去年、インフレ(物価高の状態)に強い固定金利で32年の住宅ローンを組み、建売住宅を購入しました。もちろん、ローンの契約者である僕が死んだら返済を肩代わりしてくれる団体信用生命保険制度にも加入済みです。損をしないためには、やはり知識は欠かせませんね。 たった14坪の土地に立つ3階建てのわが家は、総面積105平米。「家が細すぎて通り過ぎてしまう」と自分でネタにするくらい、極細の狭い家です。けれど、リビングに作り窓を取りつけたり、カーテンを天井のギリギリから吊るしたりと、目の錯覚効果を利用して狭さを感じさせない工夫を楽しんでいます。あるもので工夫する。これ、大事です。 大人になるとなぜか、「楽しいこと=消費」という発想になりがちですが、楽しいことをお金に結びつけずに探してみれば、思いのほかたくさん見つかるものです。 僕にとっては、FPの勉強もその一つ。問題集を1冊買えば、勉強に費やす約1年分の時間を楽しく過ごせます。飽きた頃には試験に受かり、お金の知識も増えるわけですから、こんなにコストパフォーマンスのいいものはありません。 お金は必要ではあるけれど、幸せとは比例しない。これが体に染みつくと、だいぶ人生が楽しくなります。大富豪かどうかは、心の持ち方次第。自分で決められるのです。 (構成=丸山あかね、撮影=岸隆子)
八木真澄(サバンナ)
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