「3強」神戸の牙城を崩した広島、なでしこ超えが示す「国立競技場」活用【クラシエカップ決勝が示した「女子サッカー」の未来】(1)
■集客力が「大きい」国立競技場
やはり、国立競技場の集客力は大きい。 2024年のJリーグは年間最多入場者数の新記録を作ったが、Jリーグが13試合を開催した「THE国立DAY」の成功もその要因だった。 国立競技場という日本最大のスタジアム自体への関心も高いし、なんといってもアクセスの良さが観客動員につながるのだろう。 クラシエカップはサンフレッチェ広島レジーナ対INAC神戸レオネッサという、西日本勢同士の対戦となり、数多くのサポーターも駆けつけたが、国立競技場は東京駅からも、羽田空港からもアクセスが良いので日帰りも可能だ。 スタンドの傾斜が急なのでサッカーやラグビーの試合も比較的見やすいとは言うものの、国立競技場はやはり陸上競技場なのでサッカー観戦には向かない。しかし、そんなマイナス面があるとしても、それでも国立競技場の魅力は大きい。 いずれにしても、観客動員に苦しみ(今シーズンのリーグ戦の平均観客数は1700人ほど)、一部では存続すら危ぶまれているWEリーグとしても国立競技場を活用して、これまで女子サッカーを見たことのない層の観客を掘り起こす方法を模索すべきだろう。 今年は、12月29日という暮れも差し迫った日程での開催だったが、たとえば元日開催とか気候の良い春先に国立で試合を開催すれば、今回の観客動員数を更新することは可能なのではないか。 そして、多くの観客が入った中で、良い内容の試合をして、観客の一部でもリピーターとなってもらえれば、WEリーグの将来にもつながるはずだ。
後藤健生
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