絶大なるエレガンス エルメス カット 時計ジャーナリストの柴田充のイチオシはこれ!
現代的なドレスウォッチとして着けたい!
2024年新作速報の第2弾。2020年春にスタートした世界最大級の時計見本市「ウォッチ&ワンダーズ」。開催5回目となる今年は、ジュネーブの会場に過去最多の54ブランドが集結した。各メゾンが「時計の祭典」でお披露目した入魂の看板モデル、数々の新作の中からエンジン時計委員の心を揺さぶったモデル8本を、熱いコメントとともに紹介する。2本目、柴田充のイチオシは、エルメス カット。 【写真28枚】エレガントかつ現代的なドレスウォッチ レディースを男がつけても様になる 詳細画像はこちら ◆エンジン時計委員 柴田充 のイチオシ 「エルメス カット」 平面の円と立体の丸みを合わせたような独特のフォルムが特徴のスポーティな「エルメス カット」がデビュー。ケースサイズは36mmで、ステンレススティール、ピンクゴールドとのコンビ、ダイヤモンド付き、またメタルブレスレットやラバーストラップ仕様など豊富なバリエーションを展開。自動巻き。エルメス・マニュファクチュールH1912。パワーリザーブ50時間。10気圧防水。93万8300円から、左のSS×PGコンビは216万7000円。 ◆エレガントかつ現代的なドレスウォッチ 今年の私のウォッチズ&ワンダーズは、開幕前夜に催されたレマン湖畔でのエルメス主催パーティから始まった。時計はベールに包まれていたが、パフォーマンスステージを飾ったのがこのエルメス カットのシルエットだった。イメージはエルメスH08にも近いが、両サイドを裁ち落としたようなケースはよりドレッシーだ。ラインを損なわぬよう、リュウズも上方斜めに移されている。レディースに位置づけるが、36mm径や存在感あるブレスレットはメンズでも違和感なく、現代的なドレスウォッチとして着けたい。ディナーの席でエルメス・オルロジェCEOのローラン・ドルデ氏は、自分たちは「時計の世界では小さな存在」と謙遜しながらも、パテック フィリップのような名門も視野に入れ、屈指のメゾンの自信を覗かせた。ひと目でエルメスとわかる唯一無二の個性にもかかわらず、ひけらかすことなく控えめ。“ラグスポ”ブームも一段落したいま、そのエレガンスがより際立つ。(柴田充) (ENGINE2024年7月号)
ENGINE編集部