受刑者「正直きつい」 10月からの郵便料金値上げ、塀の中から悲鳴の声 物価高も追い打ち
●家族と疎遠に、値上げは「かなりの出費で痛手」
ただ、刑務所に入った時に持っていたわずかなお金はすでになくなった。唯一連絡が取れていた姉から手紙の返信が来なくなり、知人らもいないため、外部からの金銭の差し入れも期待できない状況だ。 男性は他の受刑者を代弁するように塀の中の状況を次のように説明する。 「物価高騰で刑務所内でも日用品等が値上がりしている中で、社会との唯一の連絡手段である切手の料金が上がるのは、かなりの出費であり痛手です」 「今回、郵便料金が上がったことで刑務所内では社会へ手紙を出す受刑者の人達の数が減ったりする等の影響が出るんじゃないかなと私は考えています」
●少年刑務所の受刑者「お金無い人はきつい」
「お金無い人はきついと思いますよ」 東日本の少年刑務所に服役中の20代の受刑者は 手紙でそう感想を送ってきた。 現在、時給21円の水準で刑務作業に取り組み、月に得られる作業報奨金は約2400円だ。 同じ工場で作業をしている受刑者の中には、郵便料金の値上げに伴って「手紙を送らない」と話す仲間がいたという。
●「不満はない」 一方で物価高騰の影響も
一方、長期刑の受刑者を収容する刑務所のある受刑者は月に5000~6000円ほどの作業報奨金を得ているといい、値上げについて「私の周りの受刑者で不満に思っている人はいません」と明かす。 ただ、下着や便せんなど刑務所で購入できる物品の価格が社会にいた時よりも高いことに納得できない様子だ。 ”臨時収入”を得るため、家族の協力を得て獄中からフリマアプリで私物を出品したが、買い手がつかなかったという。 この受刑者によると、受刑者でも政府による非課税世帯への給付金を受給できるといい、「(給付金が)なくなったら(作業報奨金以外の収入は)ゼロですね」と話した。