花王の物流センター建設中止 春日井市の企業用地
【尾東】春日井市は26日、花王(本社東京都)が同市大泉寺町の企業用地で予定していた物流センターの建設を中止した、と発表した。同用地は2018年3月、市が花王と土地売買契約を締結し、32億7666万円で売却していた。花王は「インフレの加速や建設資材の高騰によるコストの増加、物流業界の2024年問題など、土地売買契約締結当時とは経営環境が大きく変化し、投資採算性の点から実現可能な計画の立案に至らなかった」と建設中止の理由を説明している。 同用地は、東名高速道路春日井インターチェンジから1分ほどで、敷地面積は3万8013平方メートル。物流センターは21年に稼働開始が予定されていたが同年、花王から開始時期を25年に変更するとの申し入れがあった。また同社から、建物建設に必要な計画書が提出されていなかったことから、市はことし3月末を期限として、計画書の提出を求めていた。 今後は両者で、契約解除や用地買い戻しの時期、金額などの調整に入る。市では「できる限り早く手続きを進め、次の検討に入りたい」としている。