映画好きの3本/役者、演出・脚本家 の高泉淳子さん「終の棲家に移るときDVDをトランクに忍ばせたい」3本
3_『ぼくを探しに』
迷いながら最後に落ち着いた1本は少し毛色が違うフランス映画です。 「S・ショメ監督のアニメーションが好きで、初の実写映画!と期待いっぱいで観ました。どこか欠落している人物に強烈に惹かれるんです。この映画はそんな人しか出てこない(笑)。話が交錯していきます。でもその変則的な記憶のページ のめくられ方にはまって、想像逞しくで きる大人の寓話。やさしく心地よくて音楽も抜群!」 映画とは何か、にも思いは巡って。 「この映画は記憶がテーマになっていますが、私は映画こそが記憶なのではと思 います。恋するものの形は時を経れば変わっていくもの。願いを込めて自分で形を変えているのかも。大切な記憶も包み 込んで映画は胸の中で育っていて、記憶 として焼き付いているのでは......」
PROFILE
高泉淳子/たかいずみ・あつこ 役者 演出家 脚本家 1983年、早稲田大学時代の仲間と 劇団結成。少年少女から老人まで演 じる役者として注目される。解散後、 音楽、演劇等の舞台企画、演出で活 躍。12月に恒例『僕のフレンチ』公演を予定。 ㉄サンライズプロモーション東京 0570-00-3337
『クウネル』2024年11月号掲載 写真/須藤敬一、取材・文/原 千香子
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