トランプ旋風は日本にチャンス 年末に日経平均4万3000円 谷道健太・編集部
◇防衛関連株が有望視 日本国内を見れば、10月の総選挙で少数与党に転落した自民・公明の石破政権が難しい政策運営を迫られることがリスク要因だ。しかし、株式評論家の天海源一郎氏は「積極財政を唱える高市早苗前経済安全保障相を“次の首相”として意識する見方があることから、意外なほど株価への悪影響はない」と見る。「石破政権でも株高、石破政権でなくとも株高」と想定しているという。 トランプ氏が石破政権に在日米軍や米太平洋艦隊の規模縮小をちらつかせれば、日本は防衛予算を増額せざるを得ない。その結果、日本の防衛関連株には強い追い風が吹く。今回、識者の間で、一番人気だったのが三菱重工業だ。同社は、戦車、潜水艦、戦闘機といった陸海空自衛隊の主力兵器を開発・生産してきた。山本氏によれば、川崎重工業とIHIを加えた防衛関連3社は「ずっと割安で“寝たきり銘柄”と揶揄(やゆ)されてきた」。しかし、3社の株価は過去4年半で4~9倍に上昇した。ロシアが22年、ウクライナに侵略したことを受け、日本政府が防衛関連費を大幅に増やすと決めたことが大きな理由だ。3社は株価がだいぶ上がったが、今後も業績向上が見込めるとして推す識者が多い。 識者10人が予想した日経平均株価の25年末予想は24年11月25日比11.8%高い4万3358円となった。23年の28.2%高、24年初から11月25日までの15.9%高と比べると上昇率は下がっているが、今年7月に付けた4万2426円の過去最高値の更新が見込まれている。(谷道健太〈たにみち・けんた〉編集部) 12月2日(月)発売の週刊エコノミスト12月10・17日合併号の巻頭特集は「2025年に上がる株」です。トランプ氏が米大統領に返り咲くことが決まりましたが、それが日本や世界の株式市場に与える影響を大胆に占います。第2特集は「新局面の地政学リスク」と題して同様に、トランプ氏復活後の新しい世界秩序を予想します。起業家イーロン・マスク氏が大きなカギを握りそうです。ぜひ、書店やオンラインでお買い求めください。