旬の「なめこ」とワイン、意外な組み合わせにハマる!
季節の野菜が持つ本来の美味しさを引き出すことを知り尽くしている料理家・平野由希子さんが、いま食べたい野菜で作る魅惑のお料理と、相性のよいお酒のペアリングを、時代のトレンドに合わせた視点で提案。今回は、和風のイメージをくつがえす、フレンチにアレンジしたなめこ&ワインのペアリングが登場! 旬の「なめこ」レシピをチェック!(写真) 独特のぬめりが特徴のなめこは、食用とされているのは日本だけ。味噌汁、なめこおろし、鍋物あたりが定番で、それはそれで愛すべき存在なのだが、つい決まりきった料理になりがち。ところが今回は、なめこをフレンチにアレンジ! 使うのは、最近よく見かけるようになった食感も味もしっかりした「株つきなめこ」だ。 「決して奇をてらったわけではないんですよ。なめこはぬめりがあるけれど、フランスでよく食べられているジロール茸に共通する風味があります。しっかり炒めたら、これまでのきのこ料理とはひと味もふた味も違う料理になりました。ワインを合わせてみたら、なめこの新鮮な魅力を発見できますよ」(平野さん)
なめこのベーコン炒め
ぬめりが少なくなるくらいまで炒めると、水分が飛び、旨味が凝縮。シンプルに炒めるだけなのに、なめこがワインおつまみの顔に変わる。 <材料 2人分> なめこ(株つき)200g、にんにく1かけ、ベーコン2枚、イタリアンパセリ(粗みじん切り)大さじ2、オリーブオイル大さじ1、塩、こしょう <作り方> 1 なめこは石づきを切り落とす。にんにくはみじん切りにする。ベーコンは1センチ幅に切る。 2 フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れて熱し、香りが出てきたら、ベーコン、なめこを入れて、塩、こしょうをふっていためる。中弱火で2~3分、なめこがひと回り小さくなるまで炒め、イタリアンパセリを加え混ぜる。
【今月のお酒セレクト:シャトー レスティニャック フリッシュ 】
フランス南西部の若いカップルが手がける、センス溢れるナチュラルワイン。赤白10品種のぶどうを混ぜて作っているのに、心地よい透明感を持ち、一つの方向にまとまっている。柔らかな酸の旨味が特徴だ。「大好きな作り手のワインです。なめこでフレンチという不思議な料理に、白でも赤でもないこの魅力的なワインを合わせてみました。思った通り、しっくり。今までにない組み合わせになりました」(平野さん) BY YUKIKO HIRANO 平野由希子 素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。