かつてのライバル同士が24時間レースでチームメイトに。ベテランWEC王者と18歳のデイトナウイナー計4名がコルベットで参戦へ
TFスポーツはNASCARチームのトラックハウス・レーシングと協力し、2025年1月にアメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催される、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権開幕戦『デイトナ24時間レース』のGTDプロクラスにシボレー・コルベットZ06 GT3.Rで参戦する。 【写真】ふたり合わせて6度のシリーズ制覇。チームメイトとして24時間レースを戦うシェーン・ヴァン・ギス・バーゲン(3冠)とスコット・マクラフラン(3冠) すでにエントリーリストで明らかになっているように、“トラックハウス・バイ・TFスポーツ”の名で91号車コルベットを走らせるチームは、次の4人のドライバーを起用する。トラックハウスのNASCARカップシリーズ・ドライバーでRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの元王者シェーン‐ヴァン・ギスバーゲン(SVG)、同じくオーストラリアV8スーパーカーの元王者でNTTインディカー・シリーズのスターであるスコット・マクラフラン、新星コナー・ジリッシュ、そして最後はスポーツカーレースで“最強ブロンズドライバー”の異名を取るベン・キーティングだ。 「ロレックス24(・アット・デイトナ=デイトナ24時間)への参戦は、トラックハウス・レーシング創設以来の夢だったんだ」と語るのは、同チームの創設者でありオーナーのジャスティン・マークス。 「シボレーとTFスポーツという一流のパートナーと、優勝を争えるドライバーラインアップで参戦したかった。我々が作り上げたこのグループならトロフィーを争えると信じているよ」 4人のドライバーは、今季2024年のWEC世界耐久選手権に2台のコルベットで参戦したトム・フェリエ率いるTFスポーツのマシンでチームを組む。TFスポーツにとってIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権への参戦は3度目だが、コルベットZ06 GT3.Rでの参戦は初の試みだ。 「とても楽しいイベントになると思うし、この機会を与えてくれたゼネラルモーターズ(GM)とコルベット・レーシングには心から感謝している」とフェリエは語る。 「ベン(・キーティング)はもちろん我々にとって知らない人ではないし、他のメンバーもあえて紹介する必要がないくらい強力のメンバーだ。非常に才能豊かなメンバーで、とても楽しいレースになるだろう。優勝してロレックス(の腕時計)を獲得するために全力を尽くす」 ■かつてチャンピオンシップを争ったふたりがチームメイトに オーストラリア・スーパーカー(豪州V8/VASC/現RSC)で3度のチャンピオンを獲得し、アレックス・ジョブ・レーシングから参戦した2015年にはデイトナの表彰台に立ったことがあるSVGにとっては、来年のイベントがAIMバッサー・サリバンのレクサスRC F GT3をドライブした2020年以来の24時間レース復帰戦となる。 「スコット、コナー、ベンと一緒に走れるなんて夢のようだ!」とSVG。「デイトナ24時間は大好きだし、このチームで走れるなんて最高だ。ジャスティン、シボレー、TFスポーツは、このすべてをまとめるために素晴らしい仕事をしてくれた」 トラックハウス・バイ・TFスポーツでチームメイトとしてSVGと組むマクラフランは、次のように付け加えている。「ベン、コナー、シェーンと一緒に走るチャンスがGMから来たとき、すぐに飛びついたんだ。コルベットで耐久レースを走ってみたいと思っていたけど、これ以上のグループは考えられないね」 「このチームならデイトナ24時間で勝つチャンスが本当にあると確信している!」と豪州3冠王者は続ける。 「シェーンと僕はチームメイトだった時期も含めて、お互いにレースで競い合った歴史がたくさんある。彼は僕がこれまで戦った中でもベストなドライバーのひとりだし、デイトナで彼の隣に立てるのは素晴らしいことだよ」 「コナーは(これから)長く活躍する若いスターだし、ベンはコルベットでル・マンと世界選手権を制覇している。僕たちはレースを楽しむつもりだ」 ■若きデイトナ優勝ドライバーとル・マン&WECチャンピオンが加わるオールスターチーム 一方、ジリッシュは、エラ・モータースポーツから参戦した今年のレースでLMP2クラスの栄冠を勝ち取り、18歳ながらすでにデイトナ24時間での優勝経験を持つ。 「2025年の24時間レースが待ちきれないよ。デイトナ24時間は大好きだし、もしふたたび勝てるようなレースができたら最高だね。ロレックスは大好きだし、もしもうひとつ手に入れることができたら両手首につけるかもね(笑)」 「このレースで勝つためには多くのことが必要だけど、このグループの全員がビクトリー・レーンにたどり着くのに役立つ何かを持ち寄ってくると思う。僕らのコルベットが速いだろうということは分かっているよ」 来シーズンのWECでTFスポーツのLMGT3プログラムに参加する予定であるキーティングは、GTDプロの91号車コルベットとLMP2クラスを戦うPR1/マティアセン・モータースポーツの52号車オレカ07・ギブソンとの“ダブルエントリー”で24時間レースに臨む。 53歳のベテランは「本当に興奮している」と語る。 「僕はコルベットでル・マンを制し、コルベットで世界選手権のチャンピオンになったこともある」 「TFスポーツに復帰できてワクワクしているよ。よく知っているチームだし、多くのレースで優勝し、チャンピオンシップでも一緒に戦ったチームだ」 「シェーン、スコット、コナーという驚異的なシボレー・ドライバーたちとチームを組むことになる。とても楽しみだよ。これは大きなチャレンジになるだろうが、僕たちは乗り越えられると確信している」 [オートスポーツweb 2024年12月17日]