3億人が闘う“希少疾患” 世界初の技術「Staple核酸」で挑む新薬の開発
そこで、勝田准教授らが立ち上げたのが、創薬ベンチャー企業「StapleBio」。研究を進めるとともに、投資会社などに働きかけ、銀行や製薬系の企業などから4.6億円の資金が集まりました。 賛同者には、日本癌学会の理事長などを務めた佐谷秀行医師も。「世界中の人が欲しがるような素晴らしい技術になるのではないか」と期待を寄せます。 基礎理論の確立から5年。いよいよ、社会実装に向けた次のステージに進みます。ここからまた、2年間が勝負です。
勝田准教授らは訴えます。 「今この時点においても、生きるだけで苦しい。でも親を心配させたくない、という思いで、泣くのを我慢してい笑顔でいる子どもたち。そして、いつ訪れるかわからない死への恐怖と闘いながら、それでも生きたいと思っている子どもたちが全世界にたくさんいるんです」 「希少疾患で亡くなる方がいる。その人たちに『5年待ってくれたら作るよ』って言っても、1年で寿命が来るかもしれない人を見捨ててしまうのか、という話になる。とにかく1分、1秒でも早くという思いでやっています」 世界に治療法のない病があることを知ってほしい。そして、開発した薬で希少疾患の患者たちを救いたい。新薬の開発に、熊本から挑戦を続けます。