【独自】住民投票条例案に「反対意見」 大西熊本市長が最終調整 市庁舎の移転建て替えで議会提出へ
熊本市の大西一史市長が、市役所本庁舎の移転建て替えの賛否を問う住民投票条例案に反対意見を付けて市議会に提出する方向で最終調整していることが6日、関係者への取材で分かった。市民団体が地方自治法に基づき、大西市長に条例の制定を直接請求している。 市は耐震性能不足が指摘されている本庁舎を中央区桜町のNTT西日本の所有地に、中央区役所を花畑町別館跡地に移転し、建て替える方針だ。これに対し市民団体は昨年12月25日、法定数を超える約1万9千人分の署名を添えて住民投票条例の制定を直接請求。大西市長は法の規定に基づき1月15日までに議会を招集し、自らの意見を付けた条例案を提出しなければならない。 市は昨年9月の市議会定例会に移転建て替え関連経費を含む予算案を提出し、可決された。国の手厚い財政支援がある合併推進債の活用を念頭に置いており、期限である2024年度末までの業者との契約締結に向け、準備を進めている。
条例案への反対意見は、こうした手続きを着実に進めたいという考えと、過去6年以上にわたって市議会や有識者会議などで議論を重ねてきたことを踏まえたとみられる。 これまでの経緯について大西市長は1月6日の年頭記者会見で「長期にわたりさまざまな角度から議論し、市議会でも関連予算を含めて議決をしていただいた」と説明。合併推進債を活用する財政的なメリットにも言及し「スケジュールに滞りがないように丁寧に進めていきたい」と述べた。 市議会は7日に議会運営委員会を開き、条例案を審議する臨時会の日程を決める。(臼杵大介)