ADHDの特性を幼児期~成人期まで細かく解説! 大人のADHD簡易チェックリストも!
青年・成人期:「不注意」は大人になっても残りやすい
かつてADHDは子どもの障害と考えられていました。しかし、根本的な原因は脳機能の偏りであることがわかってきました。 こうした特性は、軽快することはあっても完全に治すことはできません。生涯にわたって、その特性が続いていくこともあります。 症状が軽度の場合では、大人になってはじめて気づくケースもあります。日本の調査では、大人のADHDの有病率は2.09%と報告されています。また男女比は1.6対1と、子どものころに比べて女性の比率が高くなります。 一般に大人のADHDでは、多動性や衝動性は目立たなくなることが多いようです。一方で、問題になりやすいのが不注意です。仕事を段取りよく進められない、書類をなくすといった症状が起こり、失敗続きで自尊感情がそこなわれると、うつなどの二次障害を招くこともあります。 ■ADHDの特性別の経過 グラフは、ADHDの3つの特性が、症状の程度(1~3)によって、年齢とともにどのように変化するか、その軽快率を調べたものです。
大人のADHD・簡易チェック
大人のADHDの診断でもDSM-5の診断基準を用いますが、大人の状況にそぐわない部分もあるため、このような簡易チェックリストを同時に用いることがよくあります。 下記の27項目のうち、11項目以上あてはまる場合は、ADHDである可能性が高いと考えられます。
榊原 洋一(お茶の水女子大学名誉教授)