日本株ブームは終わらない、企業業績信頼で17年ぶり利上げにもめげず
(ブルームバーグ): 2007年以来となった日本銀行による利上げも、日本株相場の記録的な騰勢を鈍らせることはなかった。輸出と内需セクター双方の企業業績が良好で、先行きに対しても強気の投資家は安心感を持ち続けているためだ。
日本政府高官は過度な為替市場の動きに対し行動を起こすと再三警告しているものの、足元で進む円安は輸出セクターの収益を押し上げ、日本株の活況につながっている。また、日銀が利上げに踏み切る要因になった日本経済のデフレからインフレへの転換は、内需セクターにとってプラスだ。ただ、賃金の上昇が続かない限り、生活コストの上昇がいずれ家計に打撃を与えることになる。
BofA証券が実施した最新のアジアファンドマネジャー調査によると、パラダイムシフトを理由に日本は機関投資家からの人気が最も高く、日本の景気に対しては全体の67%が今後1年で「強くなる」と予想している。一方、最近の株高が急ピッチだったため、今後1年間の期待リターンについて3月は「ゼロ~プラス5%」と回答する向きが最も多かった。2月は「プラス5~10%」が最多だった。
また、BofAでは東証株価指数(TOPIX)採用銘柄の1株当たり利益(EPS)について、25年3月期の伸び率を9%、26年3月期を8.3%と見込んでいる。
BofA、日経平均の年末目標4万3500円に上げ-インフレ経済へ転換
日本経済が長年のデフレから脱却し、転換期を迎えている兆候は各種データから確認することが可能だ。日銀は17年ぶりの利上げに踏み切り、生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)などの数字はインフレの加速を裏付けている。上場企業経営者の株主還元姿勢の変化や円安進行もあり、グローバル投資家が日本への投資を積極化した結果、日経平均株価は2月に1989年に付けた史上最高値を30年以上ぶりに更新した。
半世紀以上にわたり日本株投資に携わるノースアイランド投資顧問の白石茂治代表取締役は、日経平均は「4万5000円であれば、年内の可能性はかなり高い」とみている。海外投資家と国内投資家が同時に日本株に好意的な反応を示すことはまれで、「そういう意味では株式需給面は良くなっている」と言う。