環境課題の解決が使命 防災の要「無線通信」などエレクトロニクス関連事業の会社へと変化 日清紡ホールディングス・村上雅洋社長
――昨年末、日立国際電気を連結子会社化しました
「無線・通信事業はグループ会社の日本無線を中核として、防災システム、監視制御システムや船舶・自動車などの通信機器を展開してきました。日立国際電気の子会社化は、DX(デジタルトランスフォーメーション)需要などで成長が期待できる無線・通信事業のさらなる強化が目的です。高速通信と親和性の高い映像技術を得たことで、市場領域と技術領域の拡大を目指します」
――欧州のブレーキ摩擦材メーカー、TMD社(本社・ルクセンブルグ)を譲渡した背景は
「2011年にTMDを傘下に収め、世界トップの市場シェアを獲得しました。その後、自動車のxEV(電動車)化や、欧州の新たな環境規制『EURO7』など市場環境が大きく変わりました。このような状況下、TMDが欧州で成長していくためには、自動車業界での経験と事業改革のノウハウを持つ企業の傘下で持続的な発展と成長を目指すことが最良と判断し、譲渡しました」
――テレビCM『ネコ篇』を展開中です
「『日清紡~♪名前は知ってるけど~』の歌詞で始まるテレビCMは2012年、『犬の二人羽織』からスタートしました。若者からの知名度を上げようとリクルートを意識して始めましたが、イメージアップに結び付いています」
――ビジネスの「変革」についてどうお考えですか
「企業にとって大事なことは常に変化することです。変化は呼吸と同じくらい自然なことで、人や組織が成長している証しです。一時的に安定を失うこともありますが、型にはまったやり方や、時代遅れの価値観などを除くことにつながると考えればよいと思っています」
【滋賀大学】入学当初、大阪市内の実家からの通学を考えていたが、場所を確認すると彦根市内で、新幹線の米原駅寄りだったため、下宿生活を送ることになった。下宿生活や部活を通じて多くの仲間ができた。卒業から40年以上が経った今も、「年に数回は会い、昔話や健康の話などで話題が尽きません」。