大橋会長「アマがあって大橋ジムがある」ロス五輪向け「アマ部門」設立 トップアマ3選手と契約
プロボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31)らが所属する大橋ジムはNTTドコモ運営の配信サービス「Lemino」とタッグを組み、トップアマとなる東京、パリ両オリンピック(五輪)代表の岡沢セオン(29)、パリ五輪代表の原田周大(23=専大)、23年アジアユース優勝(51キロ級)の片岡雷斗(18=習志野高)とサポート契約を結ぶと9日、発表した。 3選手は大橋ジムのトレーニングメソッド、練習環境の提供をはじめ、その他アドバイスなど全面的なサポートをを受ける。またLeminoで3選手の活動を紹介する映像も随時、配信されていくという。既にサポート契約は11月1日からスタート。2028年ロサンゼルス五輪までの約4年間の契約となるという。 9日、横浜市の大橋ジムで3選手とともに記者会見に臨んだ大橋秀行会長(59)は「3選手が大橋ジムから五輪を目指すことになった。僕は高校と大学でアマチュアをやった。そのアマがあって、今の大橋ジムがあると言っていい。そのアマチュアボクシングに恩返しできたらとずっと考えていた」と契約を結んだ経緯を明かした。 今年に入って原田が岡沢とともに大橋ジムでトレーニングしたいとの申し出があったことを受け、同会長はLeminoと一緒にサポートすることを提案。また片岡が高校卒業後、五輪を目指すか、プロ転向するかで悩んでいた時に「五輪を目指すべき」と助言していたという。大橋会長は「アマチュアは見ようによってはもっと面白い。しかしあまり見られていないといつも思っていた」と説明。先立ってLeminoでボクシング全日本選手権の配信が始まる橋渡し役も担った。同会長は「これでアマチュアボクシングが見てもらえれば(プロ、アマ問わず)ボクシング全体が盛り上がるのではないか」と言葉に力をこめた。 岡沢は21年世界選手権で日本人初の金メダル(ウエルター級)を獲得。原田は今年のパリ五輪で準々決勝まで進んでいた。2人は11月下旬、ボクシングの新団体「ワールド・ボクシング」の国際大会となるカップ・ファイナル(英国・シェフィールド)に出場し、ともに2位。片岡も強豪・習志野高ボクシング部に所属し、アジアユースを制覇しており、3人ともに国際大会で好成績を収めているトップアマとなる。 大橋会長は「プロとアマがスパーリングすることで相乗効果がある。短いラウンドはアマ選手のが強い。アマが長いラウンドをやれば練習になる。お互いによって良い。うちもアマチュア出身者が多いから」とプロとアマ両方のレベルアップという“化学反応”にも期待していた。