石破政権発足100日 9日からマレーシアなど訪問 外交で支持率上昇狙うも課題は山積
石破茂政権は8日で発足から100日を迎えた。24日召集予定の通常国会を前に、首相は9日から4日間の日程でマレーシアとインドネシアを歴訪する。外交で着実に成果を積み上げて支持率の回復につなげたい思惑も透けるが、注目されるトランプ次期米大統領との面会時期はまだ固まっていない。内政でも少数与党の不安定さを抱えたままで、難しい政権運営が続く。 【比較してみる】若干フサフサに…。左が11月27日午後の石破茂首相、右が12月2日午前の姿 ■外交で空気変われば 「マレーシアとインドネシアは東南アジア諸国連合(ASEAN)の有力メンバーだ。どの国とどう連帯・連携して世界の平和を築き、経済を運営するか。単に日米の二国間関係だけではない」 首相は6日夜のBSフジ番組で、両国を訪問する意義を強調した。マレーシアは今年のASEAN議長国で、アンワル首相との会談を予定。インドネシアでは昨年10月に就任したプラボウォ大統領と会談する。 今回の歴訪は、中国の南シナ海での軍事活動の活発化を念頭に両国との連携を強化するのが狙いだ。過去の政権では外交の成果をてこに、支持率を上昇させた例もある。自民若手は「外交で少しでも空気が変わってほしい」と話す。 ただ、外交の最重要課題は日米関係のさらなる強化だ。トランプ氏就任に伴う日本への影響が見通せず、早期に安全保障政策や経済政策などの認識を共有すべきだという意見がある。だが、首相は一時検討された今月中旬ではなく、20日の大統領就任式後の2月上旬の面会で調整を進める。 7日夜には東京都内の日本料理店で、昨年12月にトランプ氏と面会したソフトバンクグループの孫正義会長兼社長と会食し、経済政策などについて意見を求めた。トランプ氏との首脳会談に向けた準備の一環だが、すでにトランプ氏は就任後の政策などについて発信し始めており、与党内には「できるだけ早く会った方がいいのでは」(自民閣僚経験者)との懸念がくすぶる。 ■攻防激化も「数」はなし 帰国後に開かれる通常国会も首相にとって大きな試練で、外交成果が支持率上昇につながるかどうか見通せない。 総額115兆円超の令和7年度当初予算案成立に関し、6年度内の成立が確実となる3月2日までの衆院通過をにらんで与野党攻防の激化が見込まれる。だが、先の衆院選で大敗した自民、公明両党は、与党だけで衆院通過させる「数」は確保できていない。