リウマチ体操【リウマチ治療の最前線】
関節リウマチの管理において、日々の関節運動は非常に重要です。発症予防と進行抑制のために、1日最低1回はすべての関節を動かすことを推奨しています。 しかし、リウマチ体操は慎重に行う必要があります。痛みを無視して無理に関節を動かすと逆効果になり、症状を悪化させる可能性があるからです。従って、「無理なく、動かせる範囲」で運動を行うことが基本原則となります。 具体的には、10回の動作を1セットとし、1日2セットを目安に行いましょう。ただし、個人の状態に応じて、痛みや疲労が生じない範囲で調整することが重要です。運動のタイミングとしては、午後と入浴後の1日2回がおすすめです。
◇関節を動かそう~リウマチ体操の知っておきたいポイント
まずは、リウマチ体操を行う際に知っておきたい重要なポイントについて解説していきます。 ①動かせる範囲で関節を動かす リウマチ体操を行う際に最も重要なポイントは、自分の関節が動く範囲内で運動を行うことです。関節の可動域は人それぞれ異なり、また同じ人でも日によって変化することがあります。 自分の体調や関節の状態を注意深く観察しながら、無理のない範囲で運動を行いましょう。関節が動く範囲を少しずつ広げていくことで、徐々に可動域を改善することができます。ただし、急激な改善を目指すのではなく、長期的な視点で少しずつ進歩していくことが大切です。 ②痛みや腫れがあるときは無理せず痛くない程度に リウマチの症状が活動期にある場合、関節に炎症が起こり、痛みや腫れが生じることがあります。このような状態で無理に運動を行うと、炎症をさらに悪化させる可能性があります。 痛みや腫れがある場合は医師に相談し、適切な処置を受けることが先決です。その上で、痛みの手前までの範囲で非常にゆっくりと、そして注意深く運動を行います。痛みを我慢して運動を続けることは避けましょう。むしろ、痛みのない範囲でできる運動を選択し、関節への負担を最小限に抑えることが重要です。 ③頑張りすぎて翌日に痛みが残らない程度に リウマチ体操は継続することが非常に重要です。そのためには、一日の運動量を適切に調整し、翌日に痛みや疲労が残らないようにすることが大切です。 運動後に軽い疲労感を感じる程度が適切な運動量の目安です。もし翌日まで痛みや強い疲労感が残るようであれば、それは運動量が多過ぎたサインかもしれません。その場合は、次回からの運動量を少し減らすなどの調整が必要です。 毎日続けることができる適度な運動量を見つけることが長期的にリウマチ体操を続けるコツです。無理をせず、自分のペースで着実に続けていくことがリウマチ管理の成功につながります。