リウマチ体操【リウマチ治療の最前線】
◇リウマチのリハビリ方法を知ろう
ここからは、自宅で簡単に行えるリウマチのリハビリ方法を幾つか紹介します。 ①胸を開いてゆっくり深呼吸 背筋を伸ばし、腕を後ろへ振り、胸を反らせながら大きく息を吸い、腕を元に戻しながら吐きます。ゆっくり行いましょう。 ②肩の上げ下げで肩関節の可動域を維持 両手を体の横につけ、力を抜いて、肩を上げ下げします。肩周辺の筋力アップと、肩関節の可動域を維持します。 ③腕を広げて手のひらを前後に返し肩をねじる 肘を伸ばしたまま両腕を少し開き、手のひらを前後に返します。肩関節の可動域を維持します。 ④腕を上げ下げして筋力と可動域を維持 背筋を伸ばして両腕を前へ上げます。次に、体の後ろへ引きます。腕の筋力アップと、肩関節の可動域を維持します。 ⑤腕を大の字に動かして肩の可動域を維持 腕を体の横につけます。遠くの方に伸ばすようなつもりで、腰から上へ動かします。腕の筋力アップと、肩関節の可動域を維持します。 ⑥体を左右にねじって体幹の可動域を維持 「気をつけ」の姿勢から体をゆっくりと左右交互にひねります。体幹の関節の可動域を維持します。 ⑦肘の曲げ伸ばしで肘関節の可動域を維持 「気をつけ」の姿勢から、右手で右肩を、左手で左肩を触れるように肘を曲げます。次に右手で左肩を、左手で右肩を触れるようにします。肘関節の可動域を維持します。
◇無理せず毎日行い、筋力アップと可動域の維持を目指しましょう!
リウマチ体操は関節リウマチの管理において非常に重要な役割を果たします。これらの運動を毎日継続して行うことで、関節の可動域を維持し、筋力をアップさせることができます。 しかし、重要なのは無理をせずに行うことです。自分の体調や関節の状態に合わせて、できる範囲で運動を行いましょう。痛みを感じたら、すぐに運動を中止し、医師や理学療法士に相談することが大切です。 また、リウマチ体操は単独で行うものではなく、適切な薬物治療や生活習慣の改善と組み合わせて行うことで、より効果的になります。定期的な医療機関の受診と、医師の指示に従うことを忘れずに。 リウマチ体操を毎日の習慣として取り入れることで関節の機能を維持し、日常生活の質を向上させることができます。無理せず、長期的な視点で継続することがリウマチ管理の成功につながります。健康的で活動的な生活を目指しましょう。(了)
湯川宗之介(ゆかわ・そうのすけ) 75年生まれ、東京都出身。00年東京医科大学医学部医学科卒業後、同大学病院第三内科、産業医科大学医学部第一内科学講座を経て、15年に湯川リウマチ内科クリニックを開院。16年一般社団法人リウマチ医療・地域ネットワーク協会を設立。リウマチの正しい理解を促す啓蒙活動を精力的に行う。関節リウマチの啓発活動、継続的なその取り組みが評価され、さまざまなメディアでも紹介。20年にはKADOKAWA出版より書籍を発刊。