オーダースーツが推し活の”参戦服”に? 紳士服店舗がフォトスポット化する事例も…スーツとアイドルの意外な親和性
「洋服の青山」が60周年を記念して昨年行われた『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』(ニジガク)とオーダースーツのコラボ。前回の『ニジガク』コラボでは、自分好みのオーダースーツの裏地に“推しメンバー”のプリントを忍ばせることで、大事な会議で背中を押してもらったり、推し活での着用も可能とあって、受注開始後に新規顧客率が約6割を占めるなど、これまでスーツになじみのなかった層にも拡散。今年11月からは、新たなコラボとして『アイドルマスター シャイニーカラーズ』(シャニマス)仕様のオーダースーツを受注開始し、“参戦服”としてスーツを着用する文化があったシャニマスと見事な適合を見せている。実際に、どのような作用があったのか同社担当者に聞いた。 【写真】スーツの裏地にプリントされる、28名のシャニマスメンバー&サインも
■ファンネームでもある“プロデューサー”としての参戦服に、「なれるよう検討」
『アイドルマスター シャイニーカラーズ』(以下、シャニマス)とは、2018年に『アイドルマスター』シリーズのひとつとしてサービスを開始し、ゲームはenza対応ゲーム『アイドルマスター シャイニーカラーズ』と『アイドルマスター シャイニーカラーズ Song for Prism』が配信中。ゲーム展開からはじまり、ゲーム以外にもライブイベント、グッズ、CD、ラジオ、アニメなど幅広い展開が行われている。 従来の「洋服の青山」ではビジネスパーソンを主軸にアプローチしているが、前回の『ニジガク』コラボでは、“スーツ離れ”といわれる20代、30代の新規顧客層への訴求に成功。このコラボスーツキャンペーンを一回限りの打ち上げ花火として終わらせるのではなく、さらに広い客層にアピールするべく、10代、20代のいわゆるZ世代のファンが多い『シャニマス』とのコラボを続けて行うことが決定。またファンネームである“プロデューサー”がライブなどのイベントに参加するための服装として、スーツを着用している人が多いということも同社との親和性が高いところだった。 前回の『ニジガク』コラボでは、作品中でアイドルたちがブラックスーツを着ていたシーンにちなんで、スーツの表生地は黒無地一色でスタート。後に顧客からのリクエストを受けて、黒シャドーストライプ、紺無地、紺シャドーストライプの3種類を追加。当初からあった黒無地を合わせた計4種類の中から選べるようになり、自分の好みや着用シーンに合わせて仕立てる、という形で展開していた。 それを踏まえ、今回の『シャニマス』コラボでは、最初から黒、紺、チャコールグレーなど9種類の表生地が用意されている。同社販促部の河本部長は「『シャニマス』に関しては、ファンの方がプロデューサーであるという位置づけなので、特にこの色でなくては駄目だということはありませんでした。しかし、コンテンツ内で登場するプロデューサーは“スーツ姿”なので、オーダーしてくださる方がイメージするプロデューサーになれるよう、選べる生地を増やせないか検討し、商品部のバイヤーと調整することで、バリエーションを用意できました」と明かす。