【東京】こだわりのしつらいや茶葉に会話が広がる【現代のティーサロンを訪ねて】
一方で茶葉はすべて日本産。櫻井さんが全国の茶農家を尋ねながら取り寄せた様々な茶葉は、緑茶、紅茶、白茶、黒茶、発酵茶など常時12種類が揃う。ウーロン茶、プーアル茶が鹿児島、静岡で作られていることを初めて知った。 「同じ茶の木につく茶葉なのに、日本でこれほど多様な茶が作られているんです。茶を通して日本を旅してほしい」との櫻井さんの想いがある。 【写真】12種を揃える茶葉。不発酵茶の玉露は京都から、釜炒り茶は宮崎、熊本から。ゴボウ、蜜柑の皮、山椒の葉をブレンドした「聴景居ブレンド」はサイフォンで出したり、従来にない抽出法で楽しむ。縁起物の八宝茶にはリンゴ、小豆、ヨモギ、ホップ。蒸しや釜炒りといった熱を加えていない白茶は静岡から、半発酵茶のウーロン茶は宮崎から。マンゴーの味がほのかにする紅茶は宮崎、沖縄から。プーアル茶は鹿児島からで、茶葉と焼酎に使われる黒麹菌を寝かせて発酵させるなど変化球
コンラン卿が考える茶の湯…ということで、「純」茶の湯とは違う、異国を感じさせる演出を取り込んでいる。オーセンティックな煎茶だけでなく、中東でコーヒーを淹れる際に使うポットのイブリックで日本産のスパイスを炒って淹れたチャイなど、ふるまう側の「見立て」の遊び心が冴える。こうした見立ては伝統的な茶席の場でも見られるもの。「そのポットはどこからやってきたものですか?かの地ではどのように使われるのですか?」など、茶人と客とのコミュニケーションが広がりそう。
聴景居 住所:東京都渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF棟 B1F 時間:日・月・火 12:00~19:00(L.O. 18:00) 木・金・土 12:00~22:00(L.O. 21:00) 定休日:水曜日 BY KANAE HASEGAWA