日本初、「世界の注目私立トップ25」選出校の中身 人間の「全体性」重視のホリスティック教育とは
一人ひとりに、自分という映画の主役になってほしい
RSJの教員はほぼイギリス人で構成されている。募集をかけたところ、応募が殺到したとダービー校長は教えてくれた。 「イギリス人の教員にとって、日本で働くことは魅力的に映るようです。昨年は20名の枠に対して、なんと1000名もの応募がありました。イギリスから優れた教員を呼び寄せることを第一条件として、慎重に採用を行っています。生徒たちにとって教員の存在は大きいですよね。彼らが大人になっても、お気に入りの先生のことはずっと覚えているものです。学校運営における最も大切な資産は教員なのです」 RSJでは英国ラグビー校と同様に、「A-Level(英国ケンブリッジ大学傘下の教育機関『Cambridge International』が提供している国際資格で、大学教育を受ける前の16~19歳の学生を対象とした高校卒業資格および大学入学資格)」のカリキュラム履修を通じ、グローバル人材の育成を目指している。 「A-Levelは自分の興味のある分野をより深く突き詰めていける、すばらしいシステムだと思います。高校の3年間、得意なことに特化してハイレベルな勉強をすることで、大学進学後に自然な流れで研究分野を絞れるでしょう」(ダービー校長) 最後に、RSJの卒業生にどのような大人になってほしいのかを尋ねると、ダービー校長は次のように述べた。 「自分でビジネスを始めるにしても、サラリーマンとして働くにしても、一人ひとりが、自分という映画の主人公になってほしい。わが校のモットーの1つに“レジリエンス(困難を乗り越えて回復する力)”というものがあります。もしうまくいかないことがあっても、へこたれずに、多くの引き出しを持ち合わせていればリカバリーできるはず。困難から立ち上がるためのスキルを学び、恐れない心を持ちましょう」 (文・撮影:せきねみき)
東洋経済education × ICT編集部