新型肺炎ウイルス分離に成功 感染研が会見(全文2)ウイルスは国内外研究機関に分与
ワクチンはいつごろ開発できそうか
じほう:医療の専門書を出してます、じほうの【トミタ 00:24:24】と申します。素人的な素朴な質問で申し訳ないんですけど、これまでSARSとかMERSとかアウトブレークがあって、SARSなんかはアウトブレークが2000年代の前半で、もう十数年前という話になるんですけど、両方ともワクチンっていうのがいまだにないっていうふうに聞いているんですけれども、コロナウイルスのワクチンっていうのは開発が難しいとしたら、それがなぜなのか。今回、ワクチンの開発も進めるということですけど、この新型のコロナについては、そのめどというのはどうなのかということを教えていただいてもよろしいですか。 脇田:ワクチン開発というのは通常、やはり年単位で掛かるものですから、なかなかすぐにこれ、ウイルスを分離したので半年以内にできるとかということはなかなか申し上げにくいといことになります。やはりコロナウイルスのワクチンが、これまでSARS、MERSで開発されてこなかったということは、このウイルス特有のワクチン開発の難しさというものがあると思います。 ただ、もちろんさまざまな手法によって、不活化ワクチンであるとか、それから弱毒生ワクチン、それからリコンビナントのタンパクを使ったワクチン、それからウイルスベクターを使ったようなワクチン、さまざまな手法がありますので、そういったものを総合的に試して、ワクチンの開発につなげられればいいというふうに考えています。 SARSの場合ですと、やはりアウトブレークが半年程度で収まったと。その後、患者さんも出ていないというところでワクチンの開発というのが、難しいという面もあるかもしれませんけど、その先にあまり進んでいないということはあるかもしれません。
抗ウイルス薬の開発の見通しは?
じほう:抗ウイルス薬の開発の見通しについて教えてください。 脇田:抗ウイルス薬に関しましては、もちろんさまざまなウイルスで現在、抗ウイルス薬が開発されて使われています。ヘルペスウイルスであるとかインフルエンザウイルスであるとか、それから肝炎のウイルスに対する抗ウイルス薬が開発されて、現実に臨床の場で使われて利用されているわけですね。ですからこのコロナウイルスに対しても抗ウイルス薬が開発されれば臨床で使うことが期待されるわけです。 実際に感染者のウイルスが採れましたので、この感染細胞というものを用いて、感染してる細胞にさまざまな化合物とか、候補になるような薬を掛けて、そのウイルスの複製とか感染を止めることができるかどうかということを、スクリーニングといいますけども、スクリーニングをやって候補薬を探しているという過程になります。 もし、これまですでに既存の承認薬、そういったものの、既存の承認薬のライブラリーもありますから、それでこのコロナウイルスの増殖を抑えるようなものが取れてくれば、これは開発は非常に早くいくことが期待されます。ただ、やはりそういうものが効かなくて、新たな化合物から開発をしていくということになると、やはり年単位の開発の時間が掛かるということは予想されます。はい、どうぞ。 時事通信:既存薬が効きそうだということになればどれぐらいの期間。 脇田:そこは、既存薬が本当にそのもので効くのか、それともその既存薬からさらにそこの開発をしていく、似たような化合物をさらに探していくのかということによって変わってくるだろうと思います。本当に既存の承認薬が効くということであれば、そこからもうすぐに臨床試験等ができるという形になりますけども、通常はなかなかそれほどうまくはいかないので、そこから候補薬を、化合物でやるか、展開していくということで、類似化合物をどんどん探していくわけですけども、その中からより効果の高いものを探していくということになりますので、そこから先はかなり、新たな化合物を探していくよりは早いですけども、ある程度の期間が必要になってくると思います。よろしいでしょうか。はい、どうぞ。