停車時は要注意!? 大型ツアラーに採用された前車自動追従ACCが4輪車と違う点
ニンジャH2 SX/SEにはARASを搭載
一方、カワサキのニンジャH2 SXとその上級バージョンのニンジャH2 SX SE。これらは、スーパーチャージャー付き998cc・水冷並列4気筒エンジン(スーパーチャージドエンジン)を搭載するハイパワーな大型スポーツツアラーです。 最大出力200PS(ラムエア加圧時210PS)もの大パワーを発揮しながらも、WMTCモード値18.4km/Lという高い燃費性能を両立。大容量19Lの燃料タンクと相まって、ロングツーリングなどに最適な長い航続距離を実現します。 また、数々の電子制御システムも搭載。バイクが前方車両のライトや街灯などの明るさを判断し、自動でハイビームとロービームを切り替える「AHB(オートハイビーム)」、車体の傾きに合わせて、自動的に点灯するライトが切り替わる「LEDコーナリングライト」などにより、高い安全性も誇ります。 さらに、上級モデルのニンジャH2 SX SEでは、独自のセミアクティブ電子制御サスペンション「KECS(カワサキ・エレクトロニック・コントロール・サスペンション)」を装備。路面の凹凸に応じてショックアブソーバー内の減衰力を自動調整するショーワの「スカイフック式EERA(電子制御ライドアジャスト)」テクノロジーも搭載することで、幅広いシーンで安定性の高い乗り味を体感できます。 そんなニンジャH2 SXシリーズには、2022年モデルからボッシュ製の「ARAS(アドバンスト・ライダー・アシスタンス・システム)」を採用しています。これは、レーダーセンサーを活用し、ライディングをサポートするさまざまな機能を持つことが特徴です。 まずは、ACC。このモデルも、車体前方にミリ波レーダーを搭載し、走行車線前方をスキャンします。そして、その情報を基に、例えば、前方車両との距離を不十分とバイクが判断した場合、ABS-ECU(ABSを制御するユニット)が出力を低下させる信号を出し減速を実施します。 また、速度低下が十分でないと判断した場合は、FI-ECU(電子制御燃料噴射装置の制御ユニット)がエンジンブレーキも活用。さらに、より強い減速が必要な場合はABS-ECUがブレーキも作動させます。 一方、車線前方がクリアになった場合は、ABS-ECUがFI-ECUに出力アップを指示。スロットルを開け加速させ、車速を自動的に設定速度まで回復させます。 そして、これら一連の操作は、ライダーがアクセルやブレーキを操作することなく、ACCシステムが事前に設定した範囲で自動的に加減速を実施。なお、前車との車間距離は、「Near(近距離)」「Medium(中距離)」「Far(遠距離)」の3種類から選択することが可能です。 ほかにも、ニンジャH2 SXシリーズには、先行車と衝突する危険性がある場合に、インストゥルメントパネル上部の赤色LEDランプが点滅してライダーに警告する「FCW(フォワード・コリジョン・ワーニング/前方衝突警告)」も搭載。 加えて、車体後部にも搭載するレーダーセンサーが後方周囲を監視し、ライダーの死角に接近する車両の存在を検知し警告する「BSD(ブラインド・スポット・ディティクション/死角検知)」も採用し、幅広いシーンでの運転支援や利便性、快適性などを実現します。 なお、価格(税込)は、ニンジャH2 SXが273万9000円、ニンジャH2 SX SEが306万9000円です。