【卓球】パリ五輪でのライバルたちとドイツで合宿。前全日本卓球王者、戸上隼輔
「たくさんの価値観の違い、文化の違いを肌で感じることで人間として大きく成長できる」(戸上隼輔)
今シーズン、日本を離れ、ドイツのブンデスリーガ1部リーグの名門「オクセンハウゼン」に所属し、プレーする戸上隼輔(井村屋グループ)。クリスマスを前に、ヨーロッパのプロリーグは前半戦を終える。クリスマス休暇に入るのだが、戸上はドイツにとどまると言う。 「リーグでは7勝3敗(12月1日時点)で、正直まだまだですね。勝ち星をもっと積み重ねたかった。勝てる相手に対して負けた試合もありました。それも良い経験かなとポジティブに捉えていますし、楽しく過ごしています」 「ぼくとしては長くここを拠点にやりたい。日本にいるよりはこちらで頑張っているほうが充実していると感じています」 プロ選手として考えれば、日本のTリーグのチームのほうが好条件を出していたかもしれない。練習環境、練習相手、食事にしても、日本のほうが快適だっただろう。 なぜ全日本王者に上り詰めた男は、はるか遠いドイツを選んだのだろうか。しかも、12月1日から始まったオクセンハウゼンでの合宿には、フランスからルブラン兄弟が参加した。写真に写っているのはその兄弟とシモン・ゴーズィ。 この3人は実はパリ五輪の男子団体のメダル決定戦で日本の前に立ちはだかったメンバーだ。その3人と切磋琢磨する戸上隼輔は、二度全日本チャンピオンになり、現在、世界ランキングは23位。張本智和の世界3位まではまだ道程は遠いが、ドイツのブンデスリーガで確実に力をつけている。 「日本にいれば卓球は強くなれる。練習環境も良いし、コーチに言われても100%理解できる。でも海外に来たことによって、人間性を高められる良い環境だなと感じています。たくさんの価値観の違い、文化の違いを肌で感じることで人間として大きく成長できる環境だと思います。卓球以外の部分で考えさせられることが本当に多い」と戸上は語る。 その戸上のインタビューを卓球王国PLUSに掲載している。