米朝会談で慶応・礒崎氏が会見(全文)北の体制がずっと続く可能性で議論を
北にとって日本の魅力は小泉訪朝時より低下している
記者5:(英語) 礒崎:日本は拉致問題解決をはじめとする北朝鮮問題、懸案の解決のためには、やはり段階的な解決というものをやむを得ず考慮すべきではないかと私は考えます。日朝国交正常化による正常化資金というものは、北朝鮮にとって潜在的な魅力ではあります。その莫大な資金が日本から北朝鮮にいくのは本当に最後の段階ですので、北朝鮮に対しては北朝鮮がもしきちんと誠意を見せるのであれば、それに対応した小さな見返りと申しますか、積み上げというものを理不尽であっても考えるべきであると考えます。 しかし日本の世論が北朝鮮問題を納得するというのは難しいです。しかも日朝首脳会談が行われた16年前に比べて、東アジアにおける日本の経済というものは相対的に高くない状況です。アメリカと史上初の首脳会談を行い、そして韓国から経済協力が得られることが目前に控えている北朝鮮にとって、日本の魅力というのは16年前に比べますと低下していると言わざるを得ません。以上です。
現在の北朝鮮政策は変更する必要がある
ジャパンタイムズ:ジャパンタイムズ記者の【オザキ 00:56:54】と申します。すいません。 司会:(英語) ジャパンタイムズ:(英語)。すいません、日本語で質問させていただきます。日本政府は拉致、核、ミサイルの一括的、包括的な解決を掲げているんですけれども、拉致問題があまり国際的に優先事項として見なされていないという状況の中で、拉致を1回、置いておいて、現実的な実際、危機である核とミサイルの問題を先に取り組むというか、拉致問題と核、ミサイルを切り離すというような政策的な選択肢というのは日本にとってあり得るのか。特に安倍政権は拉致問題を最優先事項として掲げてきていますので、拉致を核、ミサイルと引き離すという選択肢が今の政権にとってあり得るのかどうかについて、よろしくお願いします。 礒崎:ありがとうございます。安倍政権は北朝鮮政策を根本的に変化させていません。それは拉致、核、ミサイルを包括的に解決し、そのためには国際社会が連携して最大限の圧力を掛けるというものであります。しかし現実的にはこれを変更させる必要はあるように思います。つまり最大限の圧力よりも日本は独自の外交をしなくてはならない。そしてわれわれは核保有国ではありませんから、核、ミサイル問題で発揮できる力というのは制限があります、限界があります。つまり拉致問題を中心に日本が北朝鮮に外交を独自に仕掛ける必要があると、私は考えています。 司会:(英語) 礒崎:ありがとうございました。 <完>