長年のレスが寂しくて「不倫」に走って、なにが悪い⁉ ようやく自分らしさを取り戻せた夫。禁断の関係、その行方は?
禁断の果実 ー不倫の誘惑ー
「結婚生活の初めは、互いに求め合うことで二人の絆が強まりました。しかし、子どもが生まれてから仕事や子育ての疲れから、妻は次第にセックスに対する興味を失っていったと思います。その一方、僕はもっと妻に触れたい、感じたい、愛したいという欲求を抱えながらも、それが満たされないことにずっと不満を抱えて生きていました。寂しかったんですよ、それが不倫をするキッカケに繋がりました」 ケンイチさんは寂しさから、安らぎを求めて不倫をしてしまったといいます。そこに罪悪感はあるのかどうか、その思いを率直に語ってくれました。 「もちろん不倫を良いことだとは思いませんし、その行為を肯定するわけではないです。またレスになったのは、少なからず僕に原因があり、家庭や妻に対するケアが足りない部分が沢山あると思います。とはいえ、これは言い訳に聞こえるかもしれませんが、不倫をしているから結婚生活が続けられている部分が大きいのが本音なんです」 ここで不倫のきっかけから現在の状況についても聞かせていただきました。
不満と逃避の始まり
ある晩、ケンイチさんは友人たちと職場の最寄駅近くにあるダイニングバーで飲んでいたそうです。アルコールの勢いもあり、ふとした拍子に隣に座っていた女性、アヤカさん(仮名、24歳)と話し始めました。アヤカさんは若いにも関わらず知的好奇心が強くて話しやすく、ケンイチさんは自然とレスの悩みを打ち明けてしまったそうです。 「彼女の前だから打ち明けたというか、そういうことを言っても大丈夫な懐の深さみたいなものを直感的に感じたんですよね。実際、秘密を打ち明けたことで会話はむしろ盛り上がり、その場でLINEを交換しました」
不倫という選択の先に
ケンイチさんはその後、アヤカさんと頻繁に連絡を取り合うようになりました。職場近くでのランチや、仕事終わりにカフェでお茶をするなど、次第に距離が縮まっていきました。そして、ついに一線を越えることとなったのです。 「アヤカさんと初めて一緒に過ごした夜は、言葉では表現しきれないほどの安心感と興奮がありました。久しぶりに誰かに必要とされている感じがして、本当に幸せだったんです。でも同時に、妻や子どもたちに対する罪悪感も感じました」 ケンイチさんはその後もアヤカさんとの関係を続けていましたが、その一方で家庭への愛情や責任感も捨てきれないといいます。つまり家族を愛しているが、同時に自分の感情や欲求も無視できないという二重生活を送ることになったのです。 「不倫は逃避であり、自己満足だとわかっていました。それでも、アヤカさんと過ごす時間は僕にとって必要なものです。彼女は話を聞いてくれ、僕を理解してくれる存在です。でも、家庭を守らなければならない現実があることもわかっています」 ここで不倫をどこまで継続するつもりなのかを聞いてみると、こんな返事が返ってきました。 「自分が男であることを実感できるのは、アヤカさんと一緒にいられるときなんです。だからこそ、どこかで決断しないといけないと思っています」 どこか重苦しいものを抱え込んでいる様子のケンイチさん。決断の具体的な方法について、どのように考えているのかも率直に教えていただきました。 「僕が言うのもおかしいのかもしれませんが、恋愛や結婚も含めて、パートナーの条件は相手のことを一番に考えてくれる人と一緒にいるべきだと思うんです。それは頭では理解しています。僕にとって、今後のパートナーはアヤカさんであって、妻ではない。これはハッキリしています。だから離婚も選択肢として考えるようになりました」 第二子誕生後依頼、レスが続くケンイチさん夫婦。ある晩、ダイニングバーで知り合ったアヤカさんと不倫の関係に…。【前編】では、レス生活の寂しさから不倫をするまでの経緯を伺いました。 ▶続きの【後編】では、子どものために離婚はしないと思っていたケンイチさんの心境に起きた変化について、さらに詳しく語っていただきます。
家庭関係研究所 山下あつおみ