関電の金品受領問題 第三者委が会見(全文6)ずっと被害者だったわけではない
ヒアリングでは隠していたのか
朝日新聞:分かりました。あと2点目なんですが、今回の報告書では工事発注に不正があったと認定されたところは非常に大きいと思うんですが、これは社内調査報告書では聞き取りしかしてなくて、そこが明らかにならず、今回デジタルフォレンジック調査で出てきたということは、原子力事業部門の工事の不正発注に関わった人たちは、ヒアリングではそれを隠していた、説明しなかった。もちろんそれ、出てきたあとに聞けば答えたんでしょうけれど、していなかったということになるんでしょうか。 但木:なんとも難しい話で、そのときの調べてる人、調査に当たってる人がどういう人かという問題もありますよね。前の調査のときは、原子力事業本部に属する人が調査の中に入っていましたし、自分で金品もらってる人も中には入っていたりして、その調査自体がどんな調査が行われたのかなという問題は、ないとはいえないんだろうと思います。ただ、ヒアリングして、向こう側がそう答えましたということだろうと思うので、それはうそを言ったんじゃないかって、私たちが断定するのもまた、これ、できないなと思います。ただ、われわれはいろんな資料に基づいて、ああ、それは違うなというふうに事実認定を変えましたということです。
社外監査役はなぜ見逃してしまったのか
朝日新聞:最後に、今回の一連の第三者委の以前に、社外の人の目に触れたというのは、おそらく社内調査報告と監査役会しかないと思うんですが、法的に監督する責任もある社外監査役の責任についてどう考えるのかと、なぜ社外監査役の人たち、例えば検事総長経験者や、大手製造業の経験者が入っているのに見逃してしまったのか。ここについてどう考えているかについて教えてください。 但木:まさに調査報告書の内容をご覧いただけばお分かりのように、結論は違法ではない。コンプライアンス不適切という結論だったんですね。内容を見れば大変なことであって、今、私たちが知っていることを全部総合すれば、とうてい監査役会が取締役会に報告しないでいいなんていう結論にはならないと思っています。ただ、それはわれわれが調べて今、分かっているからそうやって言えるのであって、当時の社内の調査報告書でどこまで頑張れたか、それはなかなか難しい問題でしょうね。 この報告書を見ていただければ分かりますけど、もともと取締役会あるいは公表するということは非常に最高幹部が消極的でした。それが影響してるのかしてない【***02:32:22】けれども、雰囲気として、これを取締役会で論議して、公開するかしないか論議すべきだというような、会社内の空気というのはおそらく非常になかったんだろうなと思います。ただ、理想的に言えば監査役なんだから、ちゃんともう少し調査を進めて実態を暴いていったら、それはまた違う結論が出たかもしれませんけど。ただ、それは今言えることであって、当時の監査役の1人1人がそうすべきであったとまでは、ちょっと言えないかなと思いますけどね。 朝日新聞:社外監査役は報告書を全文読んでたんですかね。 但木:読んでました。 朝日新聞:読んでる。 但木:読んでます。 朝日新聞:全員が。分かりました。 司会:ただ、補足ですが、どれぐらい時間的に余裕がある状況で読んだのかとか、それがどのような形でレクチャーを受けたのかということに関しては、若干差異があるということは補足させてください。 朝日新聞:ありがとうございました。 司会:それでは、皆さんから見て右端の方、どうぞ。