関電の金品受領問題 第三者委が会見(全文6)ずっと被害者だったわけではない
関電の内部調査は間違っている面がある?
毎日新聞:これは分かっていてか、分かっていないかは分からないけれども、関電のこの内部調査はちょっと間違っているという。 但木:具体的にフォレンジックの結果を見ていただくと非常に生々しいんでお分かりになっていただけると思うけれど、かなり要求が生々しいですからね。で、それと、あのあとでもらった金とは全然関係がないんだっていうのはどうかなと。それは権威のなんとかと礼儀のなんとかだっていう割り切り方はね、それはいかがなものかと思いますけどね。 毎日新聞:あともう1点なんですけれども、モンスターを育ててしまったという部分と、そう考えると豊松さんとの特に関係性なんですけれども、逆に言うと育てただけではなくて関電側もそのモンスターを利用したという、つまり持ちつ持たれつだったというようなお考えというのはありますか。 但木:もう最初はまったくそうですよね。つまり、芦原・内藤時代のあの3・4号機増設の時期で言えば、これはまさに森山さんを徹底的に使ったわけですよね。彼の地位もあったし彼の能力もあったし交渉力もあった。だから、いろんな意味で彼を使うことが便利だったから使ったんですよね。で、使った結果、結局、つけが残ったっていうことだと思うんですね。 で、豊松さんの時代はどうかっていえば基本的にちょっと地位が逆転してるような気がしますけれども、それでも豊松さんは森山さんにとってはやっぱり特別な人なんじゃないかなと思いますけどね。 司会:よろしかったでしょうか。じゃあ左手前の方、どうぞ。
暴露を心配していた秘密とは何か?
朝日新聞:ありがとうございます、朝日新聞、西尾と申します。何点かあるんですが、1つ目が高浜原発立地時代の暴露されることを心配してた秘密っていうのは、結局何かというのは分からないんですかね。そういうことですね。 但木:分かりません。確たるものがあるわけではありません。ただ、例えばフナクイムシだって、本当を言えばあれも変なんです。半分変な。その前の漁業補償にしても変な金の流れをしてるんですね。だから一連の解決の中で、いろんなものがあるような気がします。 朝日新聞:分かりました。あと、次にお金を、要は八木さんにしろ、豊松さんにしろ、本当に返そうとしてたのかっていうところが少し疑問で、要は退任するときに返すっていうお話でしたけれど、例えば八木さんなんかは原子力事業本部を離れても、自宅で金貨を11年間も保管していたわけですし、豊松さんなんかを見ても、最初のころ、2010年とか20年に受け取っている商品券とかって、なかなか返さずに使っているんですかね。その辺りよく分からないんですけれど、スーツは使ったっていうことを聞いていますし。そうすると本当に受け取りたくなくて返そうとしていたのか、これ人によっても濃淡あるかもしれないと思っていて、鈴木さんなんか偽札も用意したって出てますけれど、その辺りってどうだったんでしょう、結局は。 司会:今のお話を少し、個別の方の返そうと思っていたか返そうと思っていなかったかということに関して言いますと、やっぱりヒアリングをさせていただきますと、皆さん返そうと思っていたという、そうおっしゃいますよね。それちょっと、すごく性悪説的な見方でちょっとあれなんですけれども。ただ、やっぱり今回明らかになった全体の75名のところで表を見ていただきますと、非常に横棒が多い、すなわち返戻をされていない方も、当然金額が少ないからかもしれませんが、非常に多くあります。 なので、従って仮にそういった、返そうと思っていたと言ったとしても、本当に客観的な自分の行動や言動を見たときに、そうは言えないというような面もあるのではないかと。ただ、その個々人の方がどう思っていたかということについて、この第三者委員会というプロセスの中で、特別に狙い撃ちをして認定をすることはなかなか難しいと思いますが、ただ全体を見ていただけると、そこは少し浮き彫りになる面はあるかと思います。