KDDIがTOB、ラック完全子会社化 246億円で全株取得へ
KDDIが、サイバーセキュリティーを手掛けるラック(東京都千代田区)を完全子会社化する。TOB(株式公開買い付け)でラックの全株を取得することで合意。取得額は約246億円で、両社の経営資源を集約し、市場の変化に迅速に対応できる体制を整備する。AI(人工知能)時代のサイバーセキュリティーでの新たな共創を目指す。 両社は2007年に資本提携し、需要の変化に合わせた新サービスの共同開発のほか、クラウドやIoTなどサイバーセキュリティー領域で協業を深めてきた。 7日に開かれたラックの取締役会でTOBに賛同を表明した。完全子会社化後は、ラックのサイバーセキュリティーサービスとKDDIのネットワークサービスを一体化し、コンサルティングから監視・運用まで一貫したサービス展開を目指す。ラックが保有する膨大な脅威情報を、KDDIのAI技術やデータ分析技術で高度処理してデータ基盤を統合。その上で、サイバー攻撃を可視化できる新サービスの開発などに取り組む方針だ。 公開買い付けは11月下旬に開始予定で期間は30営業日。買い付け価格は1株あたり1160円。全株式取得できない場合は、株式等売渡請求または株式併合の手続きを実施するという。
電波新聞社 報道本部