世界で「予想」が覆された2016年 重大ニュースで振り返る
【7】各地でイスラム過激派のテロが頻発
今年も各地でイスラム過激派のテロが頻発しました。特にイスラム圏以外の国や、イスラム圏でも過激派が多くないとみられていた国でテロが目立ちました。1月14日、インドネシアのジャカルタで、民間人4人と容疑者4人が死亡する爆破事件が発生。7月1日、バングラデシュのダッカでレストランが占拠され、日本人7人を含む20人が殺害されました。7月14日には、フランス・ニースで群衆にトラックが突っ込み、84人が死亡しました。 シリアやイラクで追い詰められるにつれ、外国人戦闘員を中心にISは各地に拡散し、これに現地の勢力が呼応する傾向がみられます。IS対策が佳境を迎えるなか、シリアやイラク以外でのテロは、今後とも容易に減少しないとみられます。
----------------------------------- ■六辻彰二(むつじ・しょうじ) 国際政治学者。博士(国際関係)。アフリカをメインフィールドに、幅広く国際政治を分析。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学、東京女子大学などで教鞭をとる。著書に『世界の独裁者』(幻冬社)、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、『対立からわかる! 最新世界情勢』(成美堂出版)。その他、論文多数。Yahoo! ニュース個人オーサー。個人ウェブサイト