トランプが習近平に猛激怒!…鉄槌を下される中国経済の「致命傷は不可避」といえる「深刻な理由」
「コロナ禍学生たち」の憂鬱
中国で結婚しない若者たちが増えるなか、中国政府は10月中旬から「子供を産まない理由」に関する大規模調査(3万人を対象)を開始した。その原因が景気低迷、特に若年層の失業難であることは言うまでもない。 【写真】これはヤバすぎる…!中国で「100年に一度の大洪水」のようす 前編記事『習近平の大誤算!悪夢の「トランプ再選」に焦っている…これから中国を襲う「不都合すぎる真実」』でお伝えしたように、中国の若年層(16~24歳)の失業率が高止まりする(9月は17.6%)中、さらに悩ましい問題が浮上している。 なんと、中国の雇用市場で新型コロナパンデミックの時期に大学で学んだ学生を採用しないという差別が横行しているというのである。2022~24年の新卒者は企業の採用担当者の間で「疫情班(コロナ禍班)」と呼ばれているという。 あまりに、理不尽な差別を受けるコロナ禍班の若者の心中たるや、察するに余りあるるが、こうした事態は、実体経済の悪化がこうした事態を生んでいることは論を俟たない。そんな状況下、中国にとってアメリカ大統領にトランプが復活するという悪夢が現実のものとなった。
「トランプ大復活」と中国経済
金融当局は11月7日、国内の銀行に対し、他の金融機関から預かった資金に課す金利を引き下げるよう命じた。経済活性化のため市場に回す資金を増やすのが狙いだが、ほとんど効果はないと思う。 全国人民代表大会(国会に相当)常務委員会は11月8日、経済のシステミックリスクとなっている地方政府の隠れ債務について10兆元(約210兆円)規模の対策を決定したが、期待されていた住宅市場の活性化など需要刺激策は盛り込まなかった。 市場からは「経済対策の発表は再び『空砲』に終わった」との声が聞こえてくる。地方政府など「身内」の事情を優先する一方、弱者の救済に冷淡な習近平指導部の方針は今回も変わらなかった。 気がかりなのは、中国政府に対する信認の低下だ。ここ数年、失策が相次いでおり、かつて世界から称賛されていた指導部の威光は露として消えてしまった感が強い。 「泣き面に蜂」なのは、トランプ氏の米大統領への返り咲きだ。 トランプ氏は選挙期間中、「中国からの輸入品に一律60%の関税をかける」と一貫して主張していた。第1期トランプ政権時とは異なり、足元の中国経済は輸出頼みの構図となっており、スイス金融大手UBSは「トランプ氏は公約通りの関税を課せば、中国の年間成長率は半分以下になる」と試算している。 「トランプ氏が即座に60%の関税をかける可能性は低い」との見方も出ている。S&Pグローバルが「関税を一気に60%にすれば、米国のインフレ率は1.2ポイント上昇し、生産は0.5ポイント低下する」と指摘しているように、副作用があまりに大きいからだ。 筆者は、「トランプ氏が安全保障や内政面からの要請にかこつけて中国に高関税をかける可能性があるのではないか」と考えている。