不妊の心配も...?「重い生理」に悩む30代女性、医師に相談するも「仕方ない」。その裏に潜む"本当の原因"が明らかに
あなたや、周りの女性にもPCOSの可能性が?
出産可能年齢の女性の約10%を悩ませているPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、名前が誤解を招く恐れがあると、ストーニー・ブルック医大PCOSセンターのトッド・グリフィン産婦人科医師は言う。「PCOSは卵巣の病気ではなく、卵巣に影響を及ぼす全身性代謝障害なのです」。 PCOSの女性は血中のアンドロゲン(テストステロンなど男性ホルモン)が過剰で、それが顔の毛が濃くなる、頭髪が薄くなる、ニキビがひどくなるなどの原因になる。通常はインスリン耐性に付随して起こり、体重増や糖尿病、コレステロール値アップ、心臓病リスク増大などを伴うことが多い。 「PCOSはまた、適切に排卵する能力にも影響を及ぼします」とグリフィン医師。毎月、卵子は卵巣の壁を破って卵管を通り抜けていく。だが、PCOSがあると卵巣の壁が非常に厚くなるため、未成熟の卵子は通り抜けることができずに嚢胞の中に詰まり、排卵できなくなるのだ。 PCOSの症状には次のようなものがある。 ・生理が不規則だったり来なかったりし、来ると、通常より長い期間続く。 ・出血量が多い。 ・妊娠しにくい。 避妊用ピルは生理をコントロールしたり、血中のテストステロン量を減らしたりするのに役立ち、卵巣壁が厚くならないようにできるとグリフィン医師。糖尿病治療薬メトホルミンはインスリン耐性に効果があり、オゼンピックなど新しい糖尿病治療薬は有望だが、保険が適用されるとは限らない。 定期的な運動や栄養士の指導を受けることで、健康的な体重を維持することも月経周期を規則正しくし、インスリン耐性を弱めるのに役立つ。また、ニキビや顔の毛に対処する皮膚科医や、内分泌科医、産婦人科医もチームとなってPCOSの治療にあたるとのこと。 PCOSは不妊の最もよくある原因の一つだが、幸い大いに希望が持てるニュースもある。「不妊治療専門医は、排卵を刺激することでPCOSの女性のほとんどが妊娠できるようにしています」とグリフィン医師は述べている。 ※本記事は、Prevention.comからの翻訳をもとに、日本版『ハーパーズ バザー』が編集して掲載しています。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
From Harper's BAZAAR.com