追随提訴あり?いや棄却?元ロッテ・ボルシンガーの「アストロズのサイン盗みで人生壊された」34億円提訴が全米に波紋
元ロッテのマイク・ボルシンガー投手(32)がブルージェイズ時代にアストロズのサイン盗みによってKOされて戦力外となり被害を被ったとしてアストロズを提訴した問題が全米に波紋を広げている。 ボルシンガーは2017年8月4日のアストロズ戦に登板したが、ワンアウトしか取れずに4安打4失点と炎上して翌日に戦力外となり、以降2度とメジャーに上がれなかった。ヤフースポーツによると、その試合で、サインを伝達する「ごみ箱たたき」が54回確認されており、「サイン盗みで野球人生を壊された」として、アストロズがその年のワールドチャンピオンになったことで得た約3100万ドル(約34億1000万円)を返上して子供達への慈善活動や、引退選手への基金に使うことを求めた。 ブルージェイズの地元紙、トロントスター紙は、今後、第2、第3のボルシンガーが出てきてアストロズへの提訴が続く可能性を示唆した。 「ボルシンガーは裁判所に立つ機会はないかもしれないが、何とかしてアストロズが不本意に彼の大リーグのキャリアを終わらせたことを償わせるだろう。ヒューストンとボルシンガーによる和解もなさそうだ。様々な要素からアストロズは、金を使ってこの件を消し去ろうとするかもしれないが、この問題は、さらなる水門を開くことになるかもしれない。もしボルシンガーが支払いを受ければ、8月4日以来登板していないシーザー・バルデス、マット・ダーモディの2人の投手も何かを求めるだろう。他の球団の選手たちもこれに続くことは確かだろう」という見解を示した。 「訴訟はボルシンガーのキャリアがヒューストンの不正行為によって直接影響を受けたことを証明しようとするもの。ただ彼のブルージェイズとの契約は、アストロズとのシリーズ前の段階で終わりかけようとしていたため容易ではない。ボルシンガーはおそらくアストロズに財布のひもを開かせることはできないだろうが、もし、この訴訟を進める決断をすれば、彼らを違ったやり方で苦しめることができる」とも指摘。 「ボルシンガーの弁護士が証言台に呼ぶかもしれない証人たち、もしくは、そこで披露される何かしらの(事件に関する)証拠について想像してみてほしい。大きな支払いを受けることには、つながらないかもしれないが、野球を辱めたアストロズのチームをさらに当惑させる可能性がある。テレビ必見のものとなるだろう」と、この裁判がもたらす影響力について記した。 その上で、「ボルシンガーは裁判所で、お金を勝ち取るために苦闘するだろうが、今週にキャンプを始めるアストロズに対して野球を辱めた不正行為に対する疑問を新たに示してみせた。たとえアストロズを裁判で倒すことができなくても、相手をみじめにすることはできる。この訴訟はアストロズがそれを受けるに値する」と続けている。